前回に続き、俳優・タレントのきたろうさんに、
岡本太郎への熱い思いを語っていただきます!
〈前回までは〉
きたろう①「太郎さんは神様的ですね。僕にとっては。生きる指針です」
今回はより深く「全身全霊」について考えます。
きたろうさんの思う「全身全霊」とは?
「性でも自分からガンガン『全身全霊』でいく」
「『全身全霊』って言うと思うのが、
敏子さんでね。
僕は、記念館で、
お逢いしたことがあるんですけど、
話してても、
本当に岡本太郎が好きだ!って、
身体中から滲みでてましたね。
敏子さんの本に、
『奇跡(集英社)』っていうのがあるんですけど、
凄いですよね。
だって岡本太郎の性癖がわかっちゃうんですから。
小説だから、
岡本太郎とか、
名前は言ってないんですけど。
あの人はね、
自分が相手から何かをされるのが嫌みたいで。
いや、小説だからわからないですけど。
そういうわがままなね、
愛されるよりも、
とことんいじめ抜いて愛するみたいなね。
敏子さんが高熱で病気のときでも襲う。
『どうだ?どうだ?』って、
子供みたいでしょ(笑)
これ小説だけど、
でもリアルだと思うんです、
だって敏子さんが書いているんだから。
凄いですよね。
性でも自分からガンガン『全身全霊』でいく。
『愛している』とか、
言われるのも嫌みたいですよね。
自分が愛していれば良い。
なんていうんだろう。
やっぱり子供じみてるんですよね、どこか。
少年ですよね。
『全身全霊』な少年。
僕ね、
太郎さんの絵では、
《黒い太陽》を、
すごいなと思っていて。
太陽のことをカニだっていうんですよね。
ざわざわと昇ってくる太陽はカニだって。
その発想も、
やっぱり子供ですよね。
太陽をカニだって言った人は、
どこにもいないと思いますよ。
カニだっていうんですからね、
太郎さんは。
カニだって。
ずっと少年のような心を持ってること自体が、
すごいですよね。
無理がなさそうなんですよね。
この講演(の音源)で、
『ぼくはいつでも死んでやるって気持ちがある』
って言ってるんです。
『死んでやる!』って凄むんですけど、
それもね、子供だよねえって(笑)
どこか子供っぽいんです。
そこがね、
本当に愛すべきところです。
『全身全霊』イコール『爆発』なんですよ。
本当に深いですよね。
ああいうふうに生きられたらな、
って思います。
っていうかね、
爆発なんてできないんですよ(笑)」
いつまでもきたろうさんに影響を与える岡本太郎。
次回はそんなきたろうさんでさえ、
理解できない太郎の考えについて語っていただきます!
きたろう③
1948年8月25日生まれ、千葉県出身。
1971年俳優座小劇場解散後、風間杜夫等と表現劇場結成。
1979年現メンバー大竹まこと、斉木しげると、
ラジカルで知的なコントユニット“シティボーイズ”を結成。
現在TV・映画・CM舞台等幅広く活躍中。
<次回公演>
シティボーイズ ファイナル part.1
「燃えるゴミ」
出演:大竹まこと・きたろう・斉木しげる
作・演出:前田司郎
2005年6月19日(金)~29日(月)(全12公演)
会場:東京グローブ座
チケット:4月11日(土)一般発売
お問合せ:ASH&D(03-5456-8130)
http://ash-d.info/