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3rd Gen Iwama ⑧

第3回 岩間玄⑧

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「明日の神話」プロジェクトメンバーとして、
数々のテレビ番組を制作されたプロデューサーの岩間玄さんに、
岡本太郎への熱い思いを語っていただいています。

〈前回までは〉
岩間玄①「そこから大きなストーリーが始まるんです」
岩間玄②「太郎の死と“本当の出会い”について」
岩間玄③「大いなる後悔と“太郎宣言”について」
岩間玄④「“隠れ太郎”が隠れられなくなった日について」
岩間玄⑤「《明日の神話》プロジェクトがスタートした日」
岩間玄⑥「石原慎太郎氏と太郎のエピソード」
岩間玄⑦「僕が考えたことについて」

最終回では「岡本太郎OS」という話題が。

「岡本太郎OS」とは?



なんていうサイトなんだろうって思ったら、
『PLAY TARO』っていう。

これはまことに的を射たサイト名だなって。
そうか、“太郎を遊ぶ”か、そうだよな。

でも“PLAY”って“遊ぶ”だけじゃなくて、
“楽器を奏でる”って意味もありますよね。

“太郎を奏でる“っていう方が
僕としてはしっくりくる。

『オマエは太郎をどう奏でるんだ?』

『太郎っていう楽器はオレにとってこんな感じ!』

それはたぶん、叩き方、こすり方、なで方によって、
全然違う音がして、

『どっちがかっこいいか対決しようぜ?』

そんなやりとりをしていきたい。

それが太郎の本質を逃がさない
一番重要なことなんじゃないか?

その真逆のことが、
カリスマにしたり、教祖にすることです。

それは太郎を固定化し規定することになります。

でも岡本太郎は永久に色あせない。

なぜそんなことを思うのか?

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ぼくは岡本太郎OSが、
我々にはデフォルトされているんじゃないか
と思っているんです。

それをいつ
どう起動させるかということではないか。

岡本太郎っていうものに触れれば、
デフォルトされたOSが起動して、
なにがしかのものにならざるを得なくなる。

あとはそれをどうやって、
動かしていけばいいのか?それだけなんです。

起動したあとに、
どうやって発動させ、発熱させるのか。
どう自分の物語を紡いでいくのか。
それが重要だと思うんです。

そういうふうに考えると、
《明日の神話》が、
渋谷に恒久展示されたっていうのも、
1つの素晴らしい到達点ではあるけれども、
決してゴールではない。

大きな起爆装置を
あそこに置いたということに他ならないわけです。

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あそこに一日何万人、何百万人という人が、
行き交っていることによって、
それぞれの岡本太郎というOSが
起動するきっかけが
毎日あそこで作られている。

何百万人という人たちが、
あの壁画の前を通り、
知らない間に太郎OSが起動するわけです。

そうすると岡本太郎は更新される。

新しい太郎が生まれる。

そうやって日々、更新された太郎が増殖する。

これがきっと岡本太郎という物語が、
永遠に完結しないということの
ひとつの証なんです。

僕の中にも
日々更新されていく太郎がいるし、
もちろん、あなたのなかにもいる。

この終わらなさ加減に興奮するというか、
太郎が許さない感じがたまらないんです。

それが『PLAY TARO』の、
ひとつの本質なんではないかなって、
僕は思っているんです。

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僕が日々更新している最新版の太郎は、
2004、5、6年に、
僕が思っていた太郎とちょっと違うかもしれない。

でも違っていていいというか、
違っているほうがいい。

今思ってる、感じている太郎と、
3年後、4年後の僕の中での太郎は、
これまたさらに更新されているので、
違うものになっているかもしれない。

『気がつくとずいぶん遠いところにきちゃったな』

みたいなことになるだろうなと
思ってるんですけど、
でもその方がいいんです。

先にも話した脚本家の大森寿美男に、

『岡本太郎の最高傑作はなんだと思うか?』
って聞かれたことがあって。

これは真剣に考えて、その結果
『僕は岡本太郎の最高傑作は、
やっぱり岡本太郎自身だと思うよ』って言ったんです。

しかもそれは太郎一人が作った太郎ではなくて、
敏子さんと共作で作り上げた岡本太郎。

いわば二人で共同で更新した
岡本太郎という物語。

これこそが岡本太郎の最高傑作だと思います。

余談ですが、
その翌年に彼が作ったドラマ
『TAROの塔』を見たら、
その会話がちょこっと反映されていて
嬉しかったのを憶えています(笑)。
あ、勘違いかもしれないけど(笑)。

それにしてもあのドラマも最高に面白かったし、
新しい岡本太郎がいた。

何が言いたいかというと、
これもまた大森寿美男の更新した
岡本太郎の物語であって、
更新された新しい太郎なんです。

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Chim↑Pomが、
震災後「明日の神話」に新しい物語を
描き足したのだって
彼らの更新した新しい太郎なんだと思います。

いつでも立ち返れる
正解としても太郎っていうのはつまらない。

永遠に変わり続けるから、
こっちも必死になって更新していかないと
『なんなんだっけ太郎ってのは?』
ってわからなくなっちゃう。

だから真剣に挑んでないとダメなんです。

一人一人が挑むんです。太郎に。

「かかってこいよ!太郎」

そうやって生み出されたものが、
更新された一人一人の
新しい岡本太郎なんです。

これが最近の僕の、最新の岡本太郎像です。

ぼんやりしたイメージっていうよりは、
かなり確信に近いものです。

もしかしたら、
この確信にたどりつくために、
あの熱狂があったのかもしれない。

そんなことを思うんです。



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岩間 玄
1966年北海道生まれ。
早稲田大学第一文学部美術史学科卒業。
日本テレビ放送網・事業局 統括プロデューサー。
ドラマ・ドキュメンタリー・バラエティなど20年以上番組制作を指揮し、
2014年より現職。
2014年「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」、
2015年「えのすい×チームラボ ナイトワンダーアクアリウム」など
従来にない新しいタイプの展覧会を企画・プロデュース。
かつて「明日の神話」移送・修復の際、プロジェクトメンバーとして
数々のテレビ番組を制作した。

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