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Yoichiro Kawaguchi talk ② " Life is Byunbyun ! "

河口洋一郎対談②「人生はビュンビュンだ!」

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自己増殖する「グロ―ス・モデル」で独自のアート世界を確立し、
世界的CGアーティストとして活躍されている河口洋一郎さんとの対談です。

今回は河口さんの作品のテーマについて語っていただきます!

〈前回までは〉
①彫刻刻が動いているような感じなわけです。

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「洋ちゃん、あなたね、芸術はビュンビュンだからね」

平野:そういえば河口さんって“うねり”があるでしょう?

河口:うねり?

平野:そう。以前この対談でタナカカツキさんが言ってたことなんですけど、
「太郎の作品はうねってるんだ。うねりが特徴なんだ」って。

河口:あぁ、なるほど。いい表現ですね~。

平野:河口さんの作品の特徴もうねりだっていう気がするんですよ、
動的なうねり。

河口:そうですね。うねり。うごめいていますから(笑)。

平野:そこに太郎は共感したのかもしれないですね。

河口:太郎さんの彫刻だったら、ぼくは「時間の造形」として動かしたいですね。
頭の中でイメージできるんです。

平野:すごい!

河口:四次元空間っぽいんだよね。太郎さんの立体造形も。

平野:なるほど。

河口:だからぼくはね、太郎さんの絵画も彫刻も動いて見えてたの。
自分の癖だから。

平野:あぁ…。

河口:縦、横、動きの三次元に、時間を入れた四次元として
太郎さんの作品を見てたんだよね。

平野:おもしろい! そんなこと言う人、はじめてだ。

河口:だから、ぼくがそうやって太郎さんから見られていたとしても
不思議はないっていうか、わかる。ある種の共有感覚はあるよね。

平野:そうでしょうね。

河口:ぼくは太郎さんをこどもの頃から知ってたし、生まれが種子島なんで、
南西諸島はトロピカルなので、太郎さんの強烈なエネルギーが似合うんです。

平野:うん。

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河口:太郎さんは沖縄とかが好きだったでしょ?

平野:はい。

河口:そういう「熱帯性」とか、南方の縄文人が好む原自然も
近いイメージがあるのかもしれない。

平野:なるほど。

河口:敏子さんがね、「洋ちゃん、太郎さんが生きてたら、
あなたの次元を超えてるところが好きだっていうと思う」って。

平野:あぁ。やっぱりその感覚なんですね。太郎の作品には時間軸がないから。
でもそれを河口さんはもっている、っていうか、それで勝負している。
そんな河口作品を見て、その感性とか発想とか、
そういうものを取り込むことができたら、別のステージに立てるって
直感的に思ったのかもしれない。

河口:太郎さんが生まれ変わるよね。ブレイクスルーする新次元の世界に…。

平野:そうですよね。

河口:だからなのかな。敏子さんはね、もうぼくの姉貴みたいなね。
そういう存在になってた。

平野:(笑)

河口:姉貴かつ素晴らしい仕事の仲間というか(笑)。
「洋ちゃんに降りかかる火の粉はぜんぶ払ってやる!」みたいなところも。

平野:うんうん(笑)。

-そんな敏子さんとの思い出をなにかひとつ聞かせていただけませんか?

河口:文化庁メディア芸術祭の打ち上げでね、朝まで飲んでたんですよ。

平野:はい。

河口:敏子さん、「みんな帰らないでよ!」って、すごいエネルギーでした。
でね、ぼくに「洋ちゃん、あなたね、芸術はビュンビュンだからね」
って言うんですよ。

平野:「ビュンビュン」ってなんですか?

河口:トルネードのこと。渦巻き!

平野:?

河口:「竜巻はビュンビュンだから、芸術も人生もビュンビュン!」
って言うんですよね。

平野:(爆笑)

河口:その言葉がね、酔っ払っててもエコーのように頭に響くわけ。

平野:(笑)

河口:どこに行っても、「洋ちゃん、人生はビュンビュン」って。

平野:いい話だなぁ(笑)。

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河口:え?この言葉って聞いたことない?

平野:まったくないですよ。はじめて。「ビュンビュン」なんてフレーズ、
敏子から一度も聞いたことない。

河口:え? そうなの? ぼくには寝ても覚めても
「人生はビュンビュン、ビュンビュン」って言ってたのにな。
そうなんだ。みんなに言ってるもんだと思ってました。

平野:いや、河口さんにだけです、きっと。

河口:そうか。で、ぼくはね、ものすごい怒濤の、
まわりがみんな渦巻いているような、そんな感じをイメージしてました。

平野:河口さんのテーマって、言ってみれば時間軸のうねりでしょう?

河口:そうですね。

平野:それ、太郎にはないです。

河口:うねるって、渦を巻くっていうことですからね。

平野:はい。

河口:時間で渦を巻くということは、物理的にいうと、生命のはじまり。
生命のはじまりはぜんぶ渦なんです。

平野:なるほど。

河口:生命は渦を巻かないといけないのね。銀河も渦を巻いてるでしょ~?

平野:ええ。

河口:渦を巻いていない宇宙には生き物はいないの。

平野:へえ。

河口:渦を巻いている銀河には生き物がいる可能性が高い。
地球上でも台風とかで雲が渦を巻くでしょ?
それがないと生命の鼓動がはじまらないんですよ。

平野:そういえば河口さんの作品って、みんな渦巻いてません?

河口:螺旋の渦がテーマだから。

平野:渦がテーマなの?

河口:生命の誕生とエネルギーが。

平野:あぁ、そうか。そこは太郎と一緒じゃないですか。

河口:敏子さんがぼくに「人生はビュンビュン」って言ってたのは、
彼女が直感的に渦をとらえてぼくにいってたってことだよね。

平野:うん、きっとそうだ。

河口:やっぱり敏子さんの直感はすごいよね。
宇宙物理学の大先生と3人で何時間もザユニバースの大宇宙について語り合い、
敏子さんの興味も膨らんで、終わりがなかったですよ~。

平野:すごい。

河口:「洋ちゃんの人生や芸術は、未来永劫に宇宙に向かってビュンビュンだよ」って。

平野:うん(笑)。

河口:「太郎さんが生きてたら、喜んで話すのに」って。

平野:ほんとにそうだと思いますよ。いまの話を聞いて、よくわかった。

河口:わかる?

平野:わかる。太郎は喜んで話したと思います。

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河口:そうか…。たぶんだけど、太郎さんも人見知りだったんじゃないかな?

平野:そうです。人見知りするタイプです。

河口:だからなんかのきっかけで会っても話せないんだよね。
ぼくもなんか恥ずかしくって。
太郎さんのことはずっと気になってたんだけど、なんて話たらいいかわからない。
近くて遠い存在として安心していたんだろうね。

平野:ぼくね、今日やっとわかりましたよ。

河口:なにが?

平野:CGやデジタルアートって太郎には関係ないのに、
なぜ敏子が「河口さん、河口さん」って言ってたのか。
いまの話を聞いてよくわかった。

河口:?

平野:敏子の一本釣りです(笑)。



次回は河口さんのコンピューターアートについてお伺いします。

河口洋一郎対談③

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河口洋一郎

種子島生まれ。東京大学大学院教授。
75年より自己増殖する「グロ―ス・モデル」のアート世界を確立、
世界的CGアーティストとして活躍し、
進化する宇宙生命体の立体造形/ロボットの創出など
伝統の未来化による拡張を続けている。

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