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Shingo Honda talk ⑤ " The comics more than hollywood movies "

本田真吾対談⑤「ハリウッド映画を超える漫画を」

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モンスターパニック漫画『ハカイジュウ』 が大好評連載中の漫画家・本田真吾さんとの対談です!

〈前回までは〉
本田真吾①「実際に目の前で見たとき、本当に感動したんです」
本田真吾②「太陽の塔の違和感って、ものすごいですもんね」
本田真吾③「ダメだったら速攻で終わらせる覚悟で(笑)」
本田真吾④「時間をかけられるなら、どこまでも細かく描きたいですね」


今回は読者を喜ばせるための工夫ついてお聞きします。

この《ハカイジュウ》をはじめたときも、完全に博打でしたから

平野:単刀直入にお聞きしますけど、こうすれば売れるだろうって、わかります?

本田:いや、ぜんぜんわからないです(笑)。

平野:やっぱり(笑)。

本田:さっきも言いましたが、この《ハカイジュウ》をはじめたときも、完全に博打でしたから。

平野:売れてよかった!(笑)

本田:けっこうストレスもあったみたいで、知らないうちに過呼吸気味になって。とにかく息苦しいんですよ。

平野:強いストレスを感じてた?

本田:そんなに自覚症状はなかったんです。「なんか息苦しいな」くらいで。でも、だんだん「肺の病気かも」って心配になってきて…。

平野:(笑)

本田:そのうち「なんか背中が痛い気がする」ってなって。

平野:(笑)

本田:で、病院に行ったら「すごくキレイな肺です」って言われて。「最近、ストレス感じてます?」って言われたんですけど…。

平野:身に覚えがないと。

本田:はい。だから「なにもないです」って言って帰ってきたんです。帰って机の原稿を見て、「あ、もしかして、これじゃね? 《ハカイジュウ》じゃね?」って。

平野:(爆笑)

本田:気がつかないうちに、ストレスでやられてたわけです。

平野:売れるかどうかはやってみなければわからない、っていうのは、けっきょくそういうことなんですね。《ハカイジュウ》の前は、どんな作品を?

本田:《卓球Dash!!》っていう卓球漫画を描いてました。

平野:えっ、そうなの? まるでジャンルが違うじゃないですか。

本田:そうですね。

卓球DASH
卓球DASH


 

卓球DASH
卓球DASH


 

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卓球DASH


平野:ぜんぜん違うジャンルに行くということは、いままで愛読してくれていた読者層から離れるっていうことでしょ? 勇気あるなあ。

本田:腹は括りました。中途半端なことをやってもしょうがないし。で、博打を打ったわけです。

平野:どういう漫画を描けば売れるのかはわからないとしても、売るためのちょっとした工夫みたいなものはあるんでしょう?

本田:たとえば、単行本の表紙でどれだけインパクトを与えられるかっていうのは考えますね。

平野:漫画ってビニールで覆われていて、中が読めませんものね。

本田:表紙でどれだけ読みたいと思ってもらえるか。漫画だと主人公やヒロインなどのキャラクターを押し出すのが一般的なんですが、何パターンか考えたあげくに、けっきょく〝人間いらね!〟って。

平野:(笑) それでバケモノ単体になったんですね。

本田:それがけっこう話題になって。じつは業界の常識ではご法度なんですよ。ネタバレになっちゃうから。

平野:あ、そうか。コイツが出てきますよって最初に見せちゃマズいわけだ。

本田:じっさいコイツが暴れるんだから見せちゃおうよと。まあ、ほんとうの主役はコイツだってこともあるんですけど。

ハカイジュウ
ハカイジュウ


平野:たしかに、コイツがどう動くのかって気になるから、読みたくなるものね。まあ、そういう営業的なことはあるにしても、本質的な話でいえば、本田さんが描きたいものと、ビジネスとして売れなければいけないという制約の折り合いをどこかでつけなければならないわけでしょう?

本田:そうですね。

平野:純粋アートなら、「オレはこれを描きたいんだ!」でいい。1点モノだから、買い手がひとり見つかればいいわけです。でも漫画は違う。きっと創造者としての葛藤があるんじゃないかと思うんですけど、そのあたりはどうですか?

本田:結果論ですけど、グロテスクな表現を喜ぶ人がけっこういるので、じつはそれがサービスになっているというか…

平野:なるほど。

本田:ほかにも、お色気要素を入れればもっと売れたかもしれないという気もしますけど、さすがにそれをやると緊張感がなくなっちゃうし…。まあ、もっとあざとく狙っていけば、さらに跳ねたのかもしれませんけれど…。

平野:そこは筋を通しているんですね。

本田:はい。ポリシーっていうほどのものではないけど、自分なりにやりたくないことは…。

平野:あざとい計算をしないで筋を通すっていうところは、太郎っぽいですよね。

本田:そうですか? 嬉しいです。

平野:画もそう。本田さんの作品を見ていて直感的に思うのは、いろんな生きもの、バケモノが出てくるけど、眼にすごく力があるっていうこと。

本田:ありがとうございます。

平野:太郎の絵もそうなんですよ。なにが描いてあるかはぜんぜんわからないけど、ひとつだけはっきりしていることがある。すべてに生きもの、いのちが描かれているっていうことです。

本田:眼があるから?

平野:そうです。太郎は分類から言うと「洋画家」ですけど、一般の洋画家が描く画題をまったく描いていない。

本田:そういえば風景画の印象ってないですよね。

平野:風景画もそうだし、裸婦も、肖像も、静物も描いていません。

本田:なるほど。

平野:描いたのは、ほぼすべてが「いのち」です。どんな形にもギョロっとした眼がついていて、晩年になると、ついに眼だけを描くようになる。

本田:おもしろい!

平野:本田さんの画も生きものの眼に力があって、生物としてのエネルギーを感じるんです。



次回は最終回です。
本田真吾さんの人間として本質(?)に迫ります!お楽しみに。

本田真吾⑥

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本田 真吾

漫画家。
2005年月刊少年チャンピオンで「卓球Dash!!」で連載デビュー。
その連載中同時に漫画アクションにて「脳内格闘アキバシュート」も連載。
現在「ハカイジュウ」が月刊少年チャンピオンにて連載中。
また日本文芸社からホラー漫画「切子」が発売中。

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