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Mitsuru Kuramoto talk ⑥ "Discover" than "Laugh"! "

倉本美津留対談⑥「”笑い”よりも”発見”を!」

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数々の番組で革新的な笑いを創造してきた放送作家の倉本美津留さんとの対談です!

〈前回までは〉

倉本美津留①「ぼくは勝手に『岡本太郎チルドレン』だと思ってます。」
倉本美津留②「そこに『自由でいい。好きなようにやればいいんだ!』というようなことが書いてあった。」
倉本美津留③「1つの魂が2つに分かれて、またひとつになったみたいです。」
倉本美津留④「個人の脳から湧き出たことをちゃんと可視化するっていう…」
倉本美津留⑤「いったいここに“なにがないのか?”を考えるのが好きなんです。」


六回目は「社会で求められていることをキャッチする方法」についてお聞きします。

他ジャンルの人から受けるというのが正しいと思っているんです。

平野:さっきも言いましたけど、人と違うことを考えたり、いままでにないものを生み出したりするときに頼りになる資源って、
けっきょくはプライベートな体験と、そのとき身体感覚でつかんだ情報だと思うんです。それがあるとき化学反応を起こしてアイデアに結晶する。

倉本:そうかもしれませんね。

平野:倉本さんはさんざん〝過去に無かったもの〟をつくってきたわけですけど、身体のアーカイヴにストックする情報はどうやって仕入れているんですか?

倉本:意識的に何かするってことはほとんどないんですけど、わりと小さい頃から、世の中に違和感を抱きながら妄想するっていうことはやってきました。「もっと違うことがあるはずだ」ってずっと思いつづけていたんで。

平野:違和感っていうのは?

倉本:人に合わせられないんですよ。合わせられない代わりに、注目を集めて、こいつは一目置こうって思われるようにしていたというか……

平野:なるほど。

倉本:あと音楽や芸術が大好きなんですけど、そういうジャンルで生ききった人たちって、テレビとはいちばん遠いところにいたりする。ぼくはそれが好きだった。

平野:うん。

倉本:ぼくは、自分がやっていく上でのヒントを、おなじジャンルの人からではなく、他ジャンルの人から受けるというのが正しいと思っているんです。

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平野:太郎がここにアトリエを構えたのは1954年なんですが、そのときここを「現代芸術研究所」と名づけて新しい芸術運動の拠点にしようとしたんです。さまざまな分野のクリエイターが参画したんだけど、いわゆる画家や彫刻家はいない。

倉本:そうなんですか。

平野:建築家、デザイナー、音楽家から魯山人にいたるまで、とにかくぜんぜん違う表現ジャンルの人たちばっかりとつきあっていたんですよね。

倉本:わかる。

平野:いまの話と似ていますよ。ただ、太郎は組織をオーガナイズすることに向いていないから、けっきょくはうまくいかなかったんですけどね。

倉本:ぼくもテレビ業界の人間にともだちってほとんどいないですよ。すごく仲がいいのは、たとえば、平野さんもよくご存知のタナカカツキとか、そういう連中で。

平野:(笑)

倉本:他の業種で、大事なことがちゃんとわかっているよね? っていう人たちが集まって影響しあうのがすごく大事なことだと思うんです。

平野:わかります。

倉本:師匠が弟子に受け継ぐっていう世襲制度みたいなことももちろんあっていい。でもやっぱり、おなじ業種の人のことが大好きで、その人みたいになりたいって思った時点でぼくはダメだと思うんで。

平野:太郎もおなじことを言ってますよ。「弟子にしてくれなんて言う奴は、それだけでもうダメなんだ」って。

倉本:そうでしょ? もうバッチリですよ!(笑)

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平野:だから太郎は生涯、弟子を取りませんでした。師匠もいないし。

倉本:そうでしょうね。

平野:クリエイティブの話に戻りますが、そうはいってもテレビ番組って厳しい世界だろうから、多くの人に観てもらわなきゃならないわけじゃないですか。

倉本:はい。

平野:倉本さんは、社会で求められていることをキャッチするアンテナっていうか…、そういう匂いを嗅ぎわける方法っていうか、そのあたりはどうやっているんですか?

倉本:いまの話にあるような、「世の中がどうであるか」に合わせていく人は、山のようにいるんです。

平野:あぁ、なるほど。

倉本:でも、ぼくはそういうことは苦手というか、そういうことよりも、そんなことに関係ない、いつ見てもフレッシュっていうものを探したい。

平野:視聴率とか、この番組が当たるか、みたいなことはあまり考えない?

倉本:できるだけ考えないようにしたい、と。

平野:あ、そうなんだ。

倉本:こういう人間がひとりくらいいてもいいと思ってやっています。

平野:太郎みたいだ(笑)。

倉本:(笑) ぼくは芸術家にはなれなかったけれど、岡本太郎の精神を受け継いでテレビをつくりたいっていう思いは持っています。おこがましい言い方かもしれないけど。

平野:よくわかりますよ。

倉本:でももちろん、「いまなにが求められているか」を考えないようではプロとは言えない、という見方も正しいし、じっさいそういう状況になっています。でも番組ってけっきょくはチームですからね。そういうことが得意な人間と握手できればいいんです。



次回はいろんな番組をつくってこられた倉本さん。
そのいちばん根っこにあるものについてお伺いします!

倉本美津留⑦「自分が生きているあいだに、世界のおもしろい選択肢が自分のぶんだけ増えていないと。」

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倉本美津留
1959年広島県生まれ、大阪府育ち。
『EXテレビ』『現代用語の基礎体力』など画期的な深夜番組を次々と生み出す。
90年代半ばから拠点を東京に移し、
「ダウンタウンDX」、「シャキーン!」や、アート番組「アーホ!」などを手がける。
これまでの仕事に「ダウンタウンのごっつええ感じ」「M-1グランプリ」「伊東家の食卓」「たけしの万物創世記」などがある。
近著にことば絵本「明日のカルタ」「ビートル頭」「倉本美津留の超国語辞典」など。
ミュージシャンとしても活動中。

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