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Matsuo Yudo talk ② "Jazz popularization committee"

松尾由堂対談②「ジャズ普及委員会」

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味のあるいぶし銀ジャズギターで知られる日本精鋭のジャズアーティスト松尾由堂さんとの対談です。

〈前回までは〉
松尾由堂①「太郎さんの画集を一枚ずつめくっていったんです。」

第二回は松尾由堂さんの音楽遍歴についてお伺いします。

中学2年のときに「これって、もしかして、ものすごくカッコイイんじゃないか?」と思った。

平野:松尾さんはいま、ジャズの世界で活躍されているわけですけど、いくらなんでも幼稚園からジャズを聞いてたわけじゃないですよね?(笑)

松尾:はい(笑)。音楽遍歴ってことでいえば、最初に衝撃を受けたのはボブ・ディランです。

平野:いくつぐらいのときですか?

松尾:中学生です。

平野:それまではなにを?

松尾:そんなに聞いてなかったですね。ただ父親が音楽好きで、家でも車の中でも聴いてたもので、いろんなものを耳にしてはいました。

平野:クラシック?

松尾:いえいえ、アメリカのポップスとか、ビートルズとか。それこそボブ・ディランやニール・ヤング、キャロル・キングとか PPM(ピーター・ポール&マリー)なんかを、こどものときから聴いてました。

平野:こどもの頃からボブ・ディランは知っていたわけだ。

松尾:でも、ぜんぜん興味がなかったんですよ。それがとつぜん、中学2年のときに「これって、もしかして、ものすごくカッコイイんじゃないか?」と思った。次から次にレコードを聴き、歌詞を読んで、高校のときには弾き語りで歌ったりもしました。

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平野:とつぜんドハマリしたわけだ。そういえば、松尾さんって、どの世代? たとえば、当時人気があったバンドって、どんな…

松尾:そうですね…、同級生はB’zなんかを聴いてましたね。

平野:アイドルでいうと?

松尾:小泉今日子とか…。

平野:ああ、なるほど。ぼくはね、山口百恵の世代。「花の中3トリオ」が同級生で、森昌子とおなじ新幹線で修学旅行に行ったっていうのが自慢なわけ(笑)。その前の小学生の頃だと、奥村チヨとか青江三奈だからね。知らないでしょ?(笑)

松尾:名前しかわかんないですね(笑)。

平野:松尾少年は、中学でボブ・ディランにハマった。で、そのあとは?

松尾:大学に入ったときに、ロック系のサークルに入ろうと思ったんですよ。でもビジュアル系とかそういうのだったから、「ちょっとちがうな」と思って。当然とはいえ、ディランなんて演ってるヤツは一人もいないわけで。それでふと思い立ってジャズ研を見に行ったら、それはもう、やる気のない感じの人たちがいっぱいいて(笑)。

平野:雰囲気だなぁ(笑)。

松尾:「新入生が来た~、じゃあ、なんか演奏しようか~」みたいな感じなのに、演奏がはじまるとメチャクチャ上手いわけですよ。「えっ、なに? この人たち!」って。

平野:たしか東大でしたよね?

松尾:東大のジャズ研です。

平野:大学に入るまではジャズなんて聴いてなかったでしょ?

松尾:ほとんど聴いていないですね。父親が持っていたカセットがちょっとあったぐらいで。

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平野:はじめてジャズの生演奏に触れて、その技術力と独特のグルーヴ感に驚嘆したってことですよね?

松尾:そうです。

平野:わかる。ぼくもそうだったから。そのとき演っていたのはモダンジャズ?

松尾:普通のスタンダードを演奏してました。でもそのあとに、さっきまでドラムを叩いてた人がピアノに座って、「あ、オレ、ほんとうはピアニストでさ」とか平気で言うわけですよ。

平野:おお、かっこいい。

松尾:なんの曲を演るかも言わないではじめちゃうし、なにも言わないで終わって、また次の曲がはじまって…みたいな。どうやって決めてるのかもわからなくて。それを見ているうちに、なぜか入っちゃったんですよ。

平野:ジャズ、ぜんぜん知らないのにね(笑)。

松尾:いま思えば、「好きなことを演っていい」っていうことに、カルチャーショックを受けたんでしょうね。

平野:大学ではじめてジャズを演奏することになって、それはもう、とてつもなく難しかったでしょう?

松尾:最初はほんとうにドレミファソラシドみたいな感じでしか弾けなかった。

平野:ぼく自身がいまそうだからよくわかる。ジャズってほんとうに難しいですよね。松尾さんもたぶん、最初はついていけなかったに違いない。それでも挫折しないで食いついていったってことは、ジャズのなにが松尾さんを惹きつけたんでしょうね。

松尾:単純に楽しかったんですよ。高校の頃から、ポップスのレコードに合わせて適当にソロを弾いたりしていたから、なにかを聴きながら「適当に合わせて!」みたいなのって、けっこう慣れてたし、好きだったんです。

平野:素養があったんだな。

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松尾:それで最初、先輩たちとセッションすることになったとき、「この曲、知ってる?」と言われても、どれも知らない。しかたがないから、「なんでもいいです」って言ったら、「ほーう、言うねえ」みたいに言われたりして(笑)。

平野:なんにも知らないだけなのにね(笑) 。

松尾:そうやって聴きながら覚えていったって感じです。



次回、いかにしてプロのジャズミュージシャンになったのか?

松尾由堂③「『味な真似をするヤツ』っていう感じですかね。」

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松尾由堂

1977年福岡生まれ、佐賀、熊本と移り住む。
中学時代にBob Dylanに傾倒、15歳でギターを始める。
東京大学入学と同時に上京、森田修史(ts)の演奏に衝撃を受け、ジャズを聴き始める。
2003年頃よりプロとして活動を開始。
2010年自家版CDR「BONANZA」を発売。
2012年公式アルバムとしては初となるCDを同タイトル「BONANZA」として発売。
現在は大口純一郎(pf)氏を迎えた自己のカルテットのほか、ジャズ系のセッションワークを中心に活動中。

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