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Oscar Oiwathree-man discussions ① "I spend the best time for creation"

大岩オスカール鼎談①「いちばんいい時間を自分の創作に」

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ブラジル出身の画家、現代美術家でありアーティスト・グループ『昭和40年会』のメンバーである大岩オスカールさんと美術史家で明治学院大学文学部芸術学科教授の山下裕二さんとの鼎談です。

大岩オスカール②「いまでも朝早く起きて、夕方まで毎日描いてます。」
大岩オスカール③「アメリカに行くことに決めたときに9.11が起きて、すごく悩みました。」
大岩オスカール④「昔の方法を真似るんじゃなくて、そのあり方や発想を学んだんです。」
大岩オスカール⑤「物語を感じてくれたとしたら、うれしいですね。」


第一回は大岩オスカールさんと山下さんの出会いからお伺いします。

「現代アートって、カッコイイじゃん!」って思ったんです。

平野:今日は、サンパウロ、東京を経て、現在ニューヨークを拠点に活動されている現代美術家の大岩オスカールさんにお越しいただきました。大岩さんは20年近く前の第3回岡本太郎賞(2000年)に入選。以後の活躍は皆さんご存知のとおりです。いま開催中の、TARO賞20周年を記念した『20人の鬼子』展(2017.3.12→6.18)に、《太郎さんの犬とシャドウ・キャットの出会い》と題する新作を出品してくださっています。TAROフリークの心に沁みる素晴らしい作品で、シビレました。

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《太郎さんの犬とシャドウ・キャットの出会い》 2016


大岩:ありがとうございます。よろしくお願いします。

平野:そしてもうひと方、特別ゲストに、泣く子も黙る(笑)、わが国最強の美術史家、山下裕二さんをお迎えしています。

山下:よろしくお願いします。

平野:このコーナーにはいろんなジャンルのゲストをお迎えしているんですが、絵や彫刻を手がけるいわゆる「美術家」は、メキシコで《明日の神話》の助手をしていた竹田鎭三郎さんひとりだけ。「美術」って、ぼくのような部外者にはどこか近寄りがたくて。「気安くこっちへ来るんじゃねえ!」ってオーラ、出してるでしょ?(笑)

山下:うん(笑)。

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平野:だから今日は、山下さんに助太刀をしてもらおうと思って。「大岩オスカールの見方」というか、なぜオスカールさんがこれだけ注目をされ、魅力のある作品を生み出しているのか、引き出して欲しいんですよ。

山下:OK!(笑) まずはオスカールとの出会いから振り返ってみようか……、えーと、あれ? いつだった?

大岩:覚えてない(笑)。アメリカに住んで15年になるので、20年くらい前かな?

山下:90年代の終わりくらいだったような気がするな。昔ね、墨田区に現代美術製作所っていうギャラリーがあって、そこでオスカールが個展をやってたのはよく覚えている。

平野:オスカールさんって、生まれはブラジルでしたよね?

山下:そう。でもその頃は日本に住んでいたんですよ。

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大岩: 1991年に東京で活動をはじめて、2002年にニューヨークに拠点を移すまでの11年間、日本で活動していました。

平野:最初は大変だったでしょう?

大岩:そうですね。コネクションもなかったから、小さなグループ展からやりはじめて。地味に名前を出していったって感じで。

平野:なぜ東京に興味を?

大岩:18歳くらいのときに、サンパウロでサンパウロ・ビエンナーレがあって、日本から来る人の手伝いをしていたんですね。

平野:日本人美術家の手伝いをしていたってこと?

大岩:横尾忠則さんの絵をかついだり、斎藤義重さんや、舟越桂さん、川俣正さんなんかの現場の仕事をお手伝いしていたんです。

平野:当時、オスカールさんはサンパウロでなにをしてたんですか?

大岩:建築設計の勉強をしていました。

山下:サンパウロ大学の建築学科だよね。日本でいえば東大の建築学科みたいなもので。

《Banana》 1984
《Banana》 1984


平野:てことは、ビエンナーレは大学生のアルバイトみたいなものだった?

大岩:バイトというより、プログラムだったんです。半年くらい美術史を勉強したのち、サンパウロに来る美術家の搬入などの手伝いをして、さらにビエンナーレがオープンしたらガイド的なこともする「アシスタントプラグラム」っていうのがあって。

平野:ああ、なるほど。

大岩:ビエンナーレは2年に1回ですけど、けっきょく2~3回やったかな? 23歳くらいまで手伝いをしていましたから。

平野:主に日本人の手伝いをしていたわけですね?

大岩:日本人が多かったけど、それだけじゃなくて、たとえばアメリカからはキース・ヘリングなどが来てました。そういう人たちの手伝いをしているうちに、ブラジルを出たことなかったぼくは、「現代アートって、カッコイイじゃん!」って思ったんです。



次回は日本に来た大岩オスカールさん。
その活動についてお伺いします。

大岩オスカール②「いまでも朝早く起きて、夕方まで毎日描いてます。」

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大岩オスカール

1965年、日本人の両親の元にサンパウロで生まれる。
サンパウロ大学建築学部卒業後、91年より2002年まで東京を拠点に活動。
2002年よりニューヨークに拠点を移し現在に至る。
物語性と社会風刺に満ちた世界観を、力強くキャンバスに表現する油絵画家。
独特のユーモアと想像力で制作を続けている。

山下裕二

1958年、広島県生まれ。
東京大学大学院卒業。明治学院大学文学部芸術学科教授。
室町時代の水墨画の研究を起点に、縄文から現代美術まで、日本美術史全般にわたる幅広い研究を手がける。

 

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