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Toshiko's Essay㉗Taro's eyes "Collection of photographs to see Japan"

敏子のエッセイ㉗太郎の眼「日本を“見た”写真集」

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ずっと前から、岡本太郎の写真展をやりたいと思っていた。4年ほど前、東京都写真美術館で『画家の写真』という企画展があった。ピカソやアンディ・ウォーホルと一緒に、岡本太郎の写真も並べたいと言ってくれたが、私は辞退した。

「岡本太郎の撮っているのは、画家の写真じゃない。岡本太郎の見たもの、なんです。それを画家の、としてひとくくりにされると、違ってしまう」

学芸員もよくわかっていらして、「そうですね。岡本さんのは岡本太郎の眼とか、岡本太郎の見たもの、として別にやった方がいい。そうしましょう。このあとすぐたて続けに、という訳にはいかないから、来年の企画にします」と言って、引っ込めてくれた。その後、都の財政事情とかいろいろあってまだ実現していないが。

それで今度、予告編として青山の岡本太郎記念館で、今月4日から『写真家・岡本太郎』なのだを展示した。

彼がシャープでみずみずしい、こんな魅惑的な写真を撮っていたなんて、案外知らない人が多いから。

去年、『岡本太郎の沖縄』という写真集が出たとき、大方の反響は「えっ? ほんとにこんな凄い写真を撮っていたんですか」だった。ストレートで、何のてらいも構えもなく、スパッと対象に迫る。それはまさに岡本太郎の見たもの、岡本太郎そのものなのだ。

記念館に並べられたのはごく限られている。ところが嬉しいことに、毎日新聞社から『岡本太郎が撮った日本』という写真集が出ることになった。丁度、時期を合わせるように。こちらは山下裕二氏の構成・解説で、日本の深部に切り込む岡本太郎をえぐり出そうという企画だ。

新規ドキュメント 2017-10-23
1950年代から60年代岡本太郎は精力的に地方歩き廻り、体当たりで、なまの日本を掴み取ろうとしていた。高度成長の始まる前の、まだ日本に原日本とも言うべき分厚い生活感が生きていた時代だ。

日本を知りたい、それは自分を確かめたいと言う彼の渇望だった。縄文から始まって、『日本再発見』『沖縄文化論』『神秘日本』の旅。これらはユニークな著作として、詩的な、鋭い直感と洞察と詩作の見事な結実を産んだが、そこにはすべて写真が伴っていた。

沖縄でも四国でも、民衆の逞しく優しい顔、民具や踊り、祭り……。彼は「いいねえ、いいねえ。見ろよ。凄いじゃないか」を、うなりながらシャッターを切った。その彼の食い入るような眼が、興奮する息づかいが、ここにまざまざと感じ取れる。

あとを追いかけるように、28日からは川崎市岡本太郎美術館でも『岡本太郎と戦後写真』展がひらかれる。一気に、カメラマン岡本太郎爆発である。

だが、岡本太郎は「写真」を撮っていたのではない。彼はただ見た。見たものを、とどめた。そこが凄い。

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