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Ka-tan talk ① "Bringing up a child creatively"

カータン対談①「こどもを創造的に育てること」

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ブログ『カータンBLOG あたし・主婦の頭の中』が「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」最優秀グランプリ受賞、2016年には殿堂入りされた人気主婦ブロガーのカータンさんとの対談です。

カータン②「こうして敏子さんのお写真を拝見すると、太郎さんに似ていらっしゃいますよね?」
カータン③「こういうのを考えられるって、頭の中はどうなってたんだろう・・・」
カータン④「みんなおなじ、ひとつなんだって言ってるんですね。」
カータン⑤「わたし、もともと物書きになりたかったんです。」
カータン⑥「「わたしの思いを聞いてもらいたいとかはあまりないんですけど・・・」


カータンさんのBLOG『あたし・主婦の頭の中 』でも対談前夜のことが書かれています。
ぜひあわせてご覧ください。
「鳥肌が立つほどエネルギーが溢れている岡本太郎の魅力」
http://ka-tan.blog.jp/archives/1068954611.html
第一回目の今回は岡本太郎記念館に初訪問のカータンさんを平野館長に案内をしていただきました。

「なんだろう。わたし、いま泣きそうになってる。」


平野:ここは岡本太郎が40年以上にわたって暮らしたアトリエ・住居で、20年ほど前にパートナーだった岡本敏子が記念館として公開しました。こちらの建物は展示棟として新しくつくったものですが、向こうは60年前の1954年にできた建物。設計したのはル・コルビュジェの弟子であり、太郎のパリ時代の盟友でもあった坂倉準三です。

カータン:コルビュジェって家具とかも手がけていますよね。

平野:ソファなどが有名ですね。でも本業は建築家です。それもスーパー級のね。20世紀が生んだスーパースターのひとりと言っていいんじゃないかな。コルビュジェには日本人の弟子が数人いるんですけど、そのひとりが坂倉さんです。

カータン:太郎さんのほうから坂倉さんにお願いしたんですか?

平野:そうです。戦後、捕虜生活から戻った太郎がようやくたどり着いたとき、ここは一面焼け野原で、麦がそよいでいたそうです。家や家財道具はもちろん、パリから持ち帰った作品も貴重な資料も、すべてを失い、太郎はまさしく裸一貫からスタートする羽目になった。しばらく上野毛の仮アトリエで過ごし、帰国から8年経ってようやくここにアトリエをもつことができたんです。

カータン:建築のことは詳しくないのですが、ユニークな建物ですよね。

平野:当時、このあたりに建っていたのはバラックのような住宅でしたから、この洗練されたモダンデザインはかなり目立ったと思いますよ。でもけっして金がかかっているわけじゃありません。それどころかローコスト建築の極みです。なにしろブロックを積み上げただけですからね。ではなかに入りましょう。ここが絵画のアトリエです。

カータン:ここは太郎さんがいらっしゃったときのままなんですか?

平野:そうです。あとで上階にも行きますけど、上にちょっとしたリビングがあってね、絵を描くのに飽きるとそこの階段をトントントンと上っていって、お茶を飲んだり、昼寝をしたり、口述筆記をしたりしてました。

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平野:絵を描くときは、ここにイーゼルを立てて、ザザザって描く。床に絵の具が飛び散ってるでしょ?

カータン:ものすごい臨場感ですね。

平野:つくりものじゃないですからね。棚に入っている作品もぜんぶ〝ほんもの〟ですよ。ほとんどみんな描きかけだけど。

カータン:描きかけ?

平野:そうです。生前、太郎はほぼすべての作品を川崎市に寄贈しました。それで美術館が川崎にあるんです。それで、完成していない、つまり〝まだ作品になっていない〟作品だけがここに残ったわけです。多くは晩年のもので、なんていうか…

カータン:若い頃とは違うんですか?

平野::若い頃はすごく緻密な絵を描いていたんですけど、歳をとるにつれてどんどんラフになっていった。よく言えば力強くダイナミック、はっきり言えば乱暴で荒っぽく、完成度が低い。これだって、まるでこどもの絵みたいでしょう?

カータン:でも魂が訴えかけてきますよね。わたし、好きです。

平野:まあ、この記念館は作品を鑑賞するためのギャラリーというより、〝岡本太郎の気配を感じる場所〟なので、これでいいのかもしれないけど。

カータン:そう思います。ところで、完成作品と未完成作の違いって、どこでわかるんですか?

平野:絵って完成するとサインを入れるんです。サインを入れたら、そこで終わり。でも、ここの絵にはサインがないでしょう? まだ完成していないという証拠です。

カータン:それがいっぱい残っているわけですね・・・なんだろう。わたし、いま泣きそうになってる。ひとりで来ていたら、きっと泣いてると思います・・・

平野:(笑) これは太郎が自分でつくった筆。普通の筆では用が足りなかったんですね。

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平野:絵の具も自分専用の絵の具なんですよ。

カータン:なんかすごいエネルギーがありますよね。別に霊感があるわけではないんですけれど。

平野:でもみなさん言いますよ、「まだここに岡本太郎がいるみたいだ」って。

カータン:わたし、太郎さんの本を読ませていただいて・・・わたしもブログに絵を描いているんですけど、周りから「あんな汚い絵をよく出せるね」とか散々言われてきたんですけど、太郎さんが『芸術はきれいであってはいけない。うまくあってはいけない』とか、『下手でいいじゃないか、下手なほうがいいんだ』って言ってるでしょう? 太郎先生ありがとうございます!っていう思いです。

平野:太郎は、評論家に褒めてもらいたいなんてこれっぽっちも考えていなかったし、金持ちに高く買ってもらうための芸術なんて卑しいと言っていました。

カータン:はい。

平野:おそらく酔っ払って吐き出すように、自分のなかに湧き出てくるものを吐き出していただけでしょう。

カータン:素敵ですね。

平野:職業分類で言えば、太郎は「洋画家」です。

カータン:ええ。

平野:でも一般の洋画家が描く画題をまったく描いていません。風景画もなければ人物画もない。静物画もないし裸婦画もない。

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カータン:本にもありましたよね。パリに着いたとき、日本の画家たちがみんな黙々とそういう絵を描いていたって。

平野:そうそう。ではいったい太郎はなにを描いていたのか。わかりますか?

カータン:えっ、わかんない、なんですか?

平野:ぼくもわかんない。

カータン:(笑)

平野:ただね、ひとつだけはっきりしていることがあるんです。すべて〝いきもの〟だということです。

カータン:どうしてそれが…?

平野:眼玉があるからです。なにを表現ししたものかはわからないけど、眼玉があるってことだけはわかる。とくに晩年になると眼玉が増殖してきて、ついには「眼玉だけ」みたいな絵になるんです。眼玉があるってことは、生きているってことでしょ?

カータン:たしかにそうですね。

平野:太郎は「眼は宇宙と交信する穴だ」と言ってます。ほとんどの彫刻にも眼があります。

カータン:じゃあ、太郎さんはなにを描きましたか? って聞かれたら、答えは〝いきもの〟?

平野:そう。〝いのち〟です。

カータン:すごい・・・わたしから見たらすべてが完成作品なのに、どうしてサインを入れなかったんだろう? もっとなにかを加えたかったんですかね?

平野:加えたかったのか・・・あるいは描き過ぎちゃったか。

カータン:ああ。

平野:カータンさんみたいな人、けっこう多いんですよ。

カータン:え?

平野:川崎の美術館にある「ちゃんとした作品」より、こういう荒っぽいほうが好きだっていう。

カータン:そうだと思います。このアトリエに入ってきたとき、ほんとうに涙が出そうになりましたから。



次回も記念館をご案内!

カータン②「こうして敏子さんのお写真を拝見すると、太郎さんに似ていらっしゃいますよね?」


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カータン

元外資系航空会社の客室乗務員。二児の母。
日常の出来事や妄想をオリジナリティあふれるイラストで綴る「カータンBLOG」で人気を博す。
現在、さまざまなメディアで活躍中。
カータン BLOG『あたし・主婦の頭の中 』
http://ka-tan.blog.jp/

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