「なぜ岡本太郎が一本釣りされることになったのか。その答えは本書であきらかになりますが、直接の事情がどうあれ、太郎のような危険人物が国家祭典の中枢に迎えられたことはまぎれもない事実であり、この一点をもって、大阪万博がいかに非日常的な状況下で準備されていたかがわかります。(本文より抜粋)」

48年目の誕生秘話
「太陽の塔」岡本太郎と7人の男たち


平野暁臣(著)


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2018年春に予定される塔内一般公開を契機にふたたび世間の耳目を集めるであろう《太陽の塔》。
岡本太郎の最高傑作にして日本社会への強烈なメッセージを内包する大阪万博テーマ館は、若者たちの気概と情熱の産物だった。
前代未聞、誰にも経験のなかったこの巨大プロジェクトに、彼らはなにを考え、どのように立ち向かっていったのか。
本書は、岡本太郎のもとで《太陽の塔》と「テーマ館」の建設に携わった男たちのインサイドストーリーを収めた非常に貴重な歴史的「証言集」である。

「7人のサムライたちの証言は、いずれも当事者しか知り得ない知られざる事実に満ちたもので、インタビューはじつにエキサイティングでした。あらためて読み返してみると、〝まだないもの〞を生み出そうとするものづくりの現場だけがもつ、圧倒的な高揚感と誇らかな歓喜がなまなましく迫ってきます。(本文より抜粋)」

48年の時を越えて明らかになる制作秘話。
《太陽の塔》誕生までの巨大プロジェクトを支えた7人が、当事者でしか知り得ない真実を語る。

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テーマ館サブプロデューサー 千葉一彦:ぼくがこの仕事で覚えたふたつの言葉が「ベラボー」と「アイロニー」。移動手段そのものがアイロニカルだし、ベラボーです。(本文より抜粋)」

太陽の塔 建築設計担当 奈良利男:ふつうの建築設計とはやっていることがずいぶんちがいました。縦横の線を描いていけば図面ができあがるのとはまるでちがうことをやっている、という興奮があったことを覚えています。(本文より抜粋)」

太陽の塔 建築設計担当 植田昌吾:とてもむずかしい仕事なので、おもしろいとは思いました。ただ、それは技術的・建築学的な意味での興奮であって、芸術作品の創造に参加しているなんていう意識はまったくありませんでした。(本文より抜粋)」

テーマ館地下展示ディレクター 伊藤隆道:ふたりで1時間くらい議論したんだけど、そのとき太郎さんは、ぼくのような若造に対して一生懸命…。(本文より抜粋)」

太陽の塔 構造設計担当 大山宏:なんといっても太陽の塔は思いもかけず、いきなり現れたもの。時間を考えてもほんとうにギリギリでした。(本文より抜粋)」

太陽の塔 施工担当 嵩英雄:建物って、10年もてば50年はもつんです。そのあいだに技術も進歩しますしね。
だけど最初から半年もてばいいやっていい加減につくったら、ほんとうにそうなる。そんなことではダメです。(本文より抜粋)」


大阪万博 初代事務総長 新井真 一:そうだ、太郎さんにまつわる話をひとつ思い出した。ぼくが、ナポレオンとか豊臣秀吉とか、人類の発展のときに社会をリードした連中の話にふれたときに、太郎さんは即座に「馬鹿を言うな、庶民だ!」って。(本文より抜粋)」

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「好きなようにやってくれ、予算のことはいいから」
太郎とともに前代未聞の巨大プロジェクトに挑んだのは、20代・30代の若者たちだった。


青春出版社 1404円(本体:1300円)
http://www.seishun.co.jp/book/19639/