あいみょんと行く②

岡本太郎を敬愛するシンガーソングライターのあいみょん!
太陽の塔内部レポート第二回です!

〈前回までは〉
①「太郎さん、このときどんなことを考えていたんだろ。」

今回、あいみょんはついに「生命の樹」と対峙します!

「このすごさ、写真じゃぜんぜん伝わらないんだろうな。」

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あいみょん:うわー! すごい! あーー、やばいっ!

平野:(笑) 上、見上げてごらん。

あいみょん:うわー! これ、ほんとに内部なんですよね?! ……緊張する。わー、すごい、すごい!

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平野:〈生命の樹〉は高さ41 メートル。 表現されているのは40億年におよぶ“生命の時間”だね。

あいみょん:ほんまにすごい! これ体の中なんですよね? あー、めっちゃ汗かいたもん、いま、瞬間で。

平野:(笑)

あいみょん:すごい! これ、どうなってるんやろ? いやー、ちょっとほんまに感動しますね!

平野:こんなに喜んでくれるなんて。連れてきてよかった(笑)。

あいみょん:これはすごい!

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平野:いま塔内に流れているのは、万博当時に流れていた音楽。

あいみょん:まったく一緒なんですか?

平野:そう。太郎と仲のよかった現代音楽の作曲家・黛敏郎がつくった『生命の讃歌』っていう曲。

あいみょん:うわー、ほんとうにすごい!

平野:あいみょんはよく知っていると思うけど、〈生命の樹〉はいちばん下が原生生物で……

あいみょん:アメーバとかですよね。めっちゃ感動する、フツーに。

平野:“フツーに”?(笑)

あいみょん:これ、マジか。

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平野:塔内の照明は約3分で1回転している。生命の躍動感を表現するために、たえず表情を変えているんだよ。ゆっくり動いたり、早く動いたりしながらね。

あいみょん:このすごさ、写真じゃぜんぜん伝わらないんだろうな。

平野:よし。じゃ、登っていく?

あいみょん:登ります!

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平野:万博のときはね、地下展示を見終わった観客は、こっちの入口から入ってきたの。

あいみょん:へぇー、そうだったんですね。

平野:で、そのままこの階段を上がっていったから、このフロアには立てなかった。でも今度の再生工事で入口があっちに変わったので、原生生物を間近に見られるようになったんだ。

あいみょん:やばい! すごいすごい! なんか本とかミニチュアとかでしか見たことなかったから、こうして見るとやっぱりすごいですね!

平野:ほんとに好きなんだね(笑)。

あいみょん:めっちゃ好きですよ! 太陽の塔の存在を知ったときから、〈生命の樹〉は知ってましたけど、中には入れないものと諦めてましたから。それがアーティスト活動をはじめたこのタイミングで入れるようになるなんて……そんなことあるかって。

平野:このあたりに三葉虫がいっぱいいるけど、すべて表情がちがうんだよ。

あいみょん:ひとつひとつ変えてあるんだ!……これって〈生命の樹〉の上から順にキレイにしていったんですか?

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平野:そう。耐震工事をやりながら、上から順に修復して、足場をバラしながら降りてきた。多くの生物は失われていたので、事前に造形工房で新しくつくっておいて、それを取りつけながら降りてきたわけ。

あいみょん:やっぱそうか。すごいな。

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平野:前にも話したかもしれないけど、太郎は〈生命の樹〉のことを「太陽の塔の“血流”だ」と言っていた。動脈であり、静脈であり、リンパの流れだってね。〈生命の樹〉は太陽の塔の“内臓”ってことだね。

あいみょん:はい!

平野:つまり太陽の塔は、万博が終わってから半世紀のあいだ、血流が止まって仮死状態にあったわけだ。それが今回、再生プロジェクトを経て、ようやく本来の姿に戻った。ふたたび血が通いはじめ、生命が吹き込まれたってことだね。

あいみょん:すごいや。

平野:内壁を覆っているこの赤い波板は、音響の吸音反射板。内部がこういう筒状の形をしているから、音がわんわん反射して風呂場の中みたいになったり、逆に一点に集中したりするのを防ぐためのもの。機能上の話をすればそういうことなんだけど、太郎はまったく次元がちがうことを考えていた。これは“脳の襞”“知の襞”なんだって言っていたんだ。

あいみょん:うわー!

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平野:真っ赤にした理由は、ひとつは燃えあがる炎の色だから。ここは生命のエネルギーが噴きあがる場所だからね。そしてもうひとつは血の色だから。内臓だからとうぜん赤だよね。それになんといっても、赤は太郎がいちばん好きな色だった。

あいみょん:ああ!

平野:ただし、当時はこんなふうにドラマチックな空間ではなかったんだよね。全体がぼーっと薄暗くて、たとえは悪いけど倉庫の中みたいな感じだった。

あいみょん:そうなんですか?

平野:うん。でもしょうがないんだよ。あの時代は照明機材がいまみたいに発達していなかったからね。

あいみょん:いまだから、これだけのことができるんですね。

平野:そう。だからぼくは、現代の技術を使って、あのとき太郎やスタッフたちがやりたくても出来なかったことをやろうって決めたんだ。いまの技術で彼らの思いに一歩でも近づきたいっていうか…

あいみょん:それって、たとえばどんなことですか?

平野:躍動する生命力。吹きあげる生命のエネルギー。そして生命の尊厳…。太郎が表現したかったのはそういうものだったんだって、当時のスタッフに教えてもらったんだよ。

あいみょん:はい。

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平野:40億年におよぶ生命の歴史がぜんぶぼくたちの肉体の中に宿っている。すべてがこの一本の樹に連なっているわけだからね。

あいみょん:「生命の時間」のすべてが、わたしたちの中にあるんですね。

平野:そしてその上にぼくたちは立っている。そういうことを表現しているんだね。

あいみょん:ほんとにすごい! 万博のテーマは「人類の進歩と調和」だけど、太郎さんは「人間は進歩なんてしていない」ってずっと言っていたんですよね……あ!こっちからちがう角度で見るのもすごい! いいですね。こうやって上に行けば行くほど景色がどんどん変わっていく……素敵。



次回も「太陽の塔」内部に大興奮するあいみょん!

③「M ステの階段より緊張する!」

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