岡本太郎を敬愛するシンガーソングライターのあいみょん!
レポート第四回は、いよいよ展覧会「太陽の塔」へ!!
*この展覧会はすでに終了しております
〈前回までは〉
①「太郎さん、このときどんなことを考えていたんだろ。」
②「このすごさ、写真じゃぜんぜん伝わらないんだろうな。」
③「M ステの階段より緊張する!」
「これが家にあったら、めっちゃアガるだろうなあ。」
平野:だいたいは出来あがっているんだけど、まだ完全な状態じゃなくて。ちょうどいま、照明演出の最終調整をしているところなんだ。
あいみょん:嬉しいです! なんかこうやって台車とか残っているのって特別感ありますよね。
平野:まずはこれ。
あいみょん:あ、また〈第4の顔〉だ! 塔内とおなじ音が鳴ってますね。
平野:あ、わかるんだね。さすが。そう、おなじ音だよ。
あいみょん:最高やん……
平野:これがさっき見たやつの原型ね。
彼は照明ディレクターの武石(正宣)くん。いま〈地底の太陽〉の裏に仕込んだ照明を調整しているところ。
あいみょん:はじめまして。あいみょんと言います。
平野:さっき見た塔内の照明も、ぜんぶ彼がプランニングしたんだよ。
あいみょん:すごーい! 素晴らしかったです! わたし、感激しちゃいました。
平野:これは FRPっていう、ガラス繊維で補強されたプラスティックで出来ているんだ。
あいみょん:軽い素材なんですね。
平野:壁の両側にかけてあるのが、太郎がテーマ館のためにつくったマスク。
あいみょん:あ、これって万博当時のものですよね! なんか、かわいい!
平野:で、こっちが地下展示のジオラマで……
あいみょん:これ、見たかったんです!
平野:あれ? 見るのはじめてだっけ?
あいみょん:東京の対談で、紙資料では見ていたんですけど。
平野:ああ、そうだった。
あいみょん:やっぱり再現率っていうか、リアリティがすごいですね。
平野:ここに〈ノン〉がいるじゃない?
あいみょん:これもかわいい!
平野:あとで会えるから。
あいみょん:わーい! それにしてもむっちゃ忠実……こんなのよくつくれますよね。
平野:これが〈地底の太陽〉の1/10原型。〈地底の太陽〉の復元は、まず最初に、わずかな写真資料を元に海洋堂の原型師が手に乗るくらいの小さな原型をつくり、それを1/10に拡大して制作用の原型にすることからはじまったんだけど、これがそのときの1/10原型。
あいみょん:すごいなぁ……
平野:これがテーマ館の地下展示の全景。太陽の塔がこの大きさだから、いかに大きかったか、わかるでしょ?
あいみょん:すごい大きさだったんですね。ちなみにこの模型って保存するんですか?
平野:うん。もっと多くの人に見てもらいたいからね。全国をまわれるといいなと思っているんだよ。
あいみょん:それ、いいですね!……あ! 太郎さんの声だ! これはテレビとかで語ったものですか?
平野:いや、万博の本番直前にアテンダントたち―当時はホステスって呼んでいたんだけどね―にテーマ館のコンセプトをレクチャーしたときの音声。太郎本人が「どういう意図でテーマ館をつくったのか」を話してる貴重なテープなんだ。
あいみょん:太郎さんの語りって、けっして流暢ではないけれど、人をぐいぐい惹きつけますよね。そこにあるのは……あ、太陽の塔にもあった構想のスケッチだ。
平野:では次のゾーンへ行こう。これは〈青春の塔〉。知っているよね?
あいみょん:知ってます。好きですよ。それにわたし「青春」という言葉がすごく大好きで。
平野:そうなんだ。
あいみょん:〈坐ることを拒否する椅子〉だ! 欲しい!
平野:(笑) これは70年当時の塔の内部を再現した模型。
あいみょん:わたし、さっきこの腕の中に居たんですよね!
平野:そうだよ。
あいみょん:いいなあ、これが家にあったら、めっちゃアガるだろうなあ。
平野:(笑)これが内部再生のためにつくった検討模型。塔内空間全体を3次元のスキャニングをして、そのデータをもとに正確に削り出したもの。これをもとに生物造形の配置や角度を検討したんだ。
あいみょん:へぇー、すごいなあ。
平野:生命の樹にはいろいろな生きものが吊られているんだけど、その配置を検討したのがこの模型。
あいみょん:あ、そうなんや。「ま、ここでいいか」みたいな感じで適当にやったわけじゃないんですね?
平野:そりゃそうだよ(笑)
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次回は最終回!
「初代・黄金の顔」と対峙します!
⑤「こんな意味のわからないもの、よく思いついたなあ、太郎さん。」
あいみょんと行く④
:: October 16, 2018
