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JEMAPUR talk ④ "Jomon people's groove"

JEMAPUR対談④「縄文人のグルーヴ」

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電子音楽家で関根光才監督による初の長編ドキュメンタリー映画「太陽の塔」の音楽を全編にわたり手掛けられたJEMAPUR(ジェマパー)さんとの対談です。
第4回はJEMAPURさんが「音楽に目覚めたとき」について。

〈前回までは〉
JEMAPUR①「もはや「複製」というより「破壊」に近いと思います。」
JEMAPUR②「既存の生命体とは異なる別種の生命を創造しているっていう感じです。」
JEMAPUR③「初期のテープレコーダーリールに、クラシックの音楽などを切り貼りして・・・」


「弦楽四重奏のようなものを書いて・・・」

平野:ジェマくんが音楽に目覚めたのはいつごろ?

Jemapur:3歳から音楽教室に通っていて。

平野:ピアノを?

Jemapur:そうです。しかも母親が100回弾かないとご飯食べさせないみたいな…

平野:おお。

Jemapur:そういう感じだったので、とにかくやるしかないと。ただそのうちに、「楽譜を見ずに目をつぶって弾く」とか、「楽譜がない曲を聴いて、そのまま弾いてみる」といったような方向に興味が向いていったんです。小学校4年生くらいになると、自分で曲を書いてみたくなって。

平野:作曲したわけね?

Jemapur:弦楽四重奏のようなものを書いて・・・

平野:すごいね。ピアノを超えて、人様の楽器のぶんまで書くなんて!

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Jemapur:(笑) そのうちにコンピューターの処理速度が上がってきて、コンピューターで音楽をつくれるということを知ったんです。で、自分が弾けない無茶苦茶速いやつなんかを……

平野:(笑)

Jemapur:当時、はじめて買ったCDがキング・クリムゾンの『クリムゾンキングの宮殿』なんですけど…

平野:なるほど、そっちに行ったのか。プログレッシブ・ロックの名盤だよね。気分は痛いほどよくわかる。

Jemapur:(笑) で、それを打ち込んでみようと思ったんです。

平野:おもしろいな。

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Jemapur:中学に入る頃にはピアノにも飽きてきて・・・そこから一気にノイズ方向に走ったわけです。

平野:中学生がノイズに行く?(笑)

Jemapur:行っちゃいました(笑)。

平野:それじゃ周りに仲間はいなかっただろうね。どう考えても中学で〝ノイズ仲間〟はできないもんね。

Jemapur:いなかったですね。

平野:ジェマくんはどのようにしてプロになっていったんですか?

Jemapur:うーん、プロって・・・

平野:そういう意識はない?

Jemapur:プロっていうのがよくわからないと言いますか・・・なにをもってプロとするかということが曖昧だなと思っていて。

平野:うん。

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山本直樹『Corpse Reviver Taro ver. ー「死者の復活」 岡本太郎 バージョン』
2018年6月13日(水)ー7月2日(月) より


Jemapur:メジャーレーベルから出せばプロかといったらそうでもないし、免許制でもないですし…。

平野:ただいつも真っ先に音楽のことを考えているわけでしょ?

Jemapur:そうですね。そういう意味で、決意として「音を生業にしていこう」って決めたのは14歳のときです。

平野:早い!(笑)

Jemapur:それで知り合いとネットレーベルをはじめました。

平野:14歳で?

Jemapur:はい。

平野:すごい! その時点でもうプロだよね。しかもいきなりネットからはじめる時代になっていた。

Jemapur:インターネットは当時のぼくにとって、ものすごく可能性のあるフィールドでした。電脳空間ですね。

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平野:大抵の場合、音楽には〝本場〟があるでしょう? シャンソンならパリだし、ジャズだったらニューヨーク。だから日本のジャズファンはニューヨークに行く。そういう意味でいうと、ジェマくんのやっている音楽世界に本場ってあるんですか?

Jemapur:西洋音楽の土壌という意味なら、ドイツの音楽は世界のなかでもものすごく実験的で刺激的だなと思います。そういう意味でいうと、ドイツはすごく影響を受けている作品が多いです。でも特定の場所に影響を受けるっていうよりは、もっと音楽をつくるツールの発明自体に興味があるので…。

平野:ツールの発明?

Jemapur:音楽そのものというより、〝音の出し方〟〝音のつくり方〟みたいなところに対する興味が一番強いですね。

平野:なんでそんなことを聞いたかというと、「本場」はある種のベンチマークになるでしょ? ジャズでいえば、ニューヨークで認められたら本物だ、みたいなことです。

Jemapur:はい。

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平野:ジェマくんはそういうベンチマークをどこに置いてるんだろうと思って。

Jemapur:そういう意味でいうと、電子音楽は、楽器となる機材=シンセサイザーがつくられた場所と、すごく関係性が深いんです。

平野:ああ、なるほど。

Jemapur:ムーグはアメリカの東海岸、西海岸ではブックラというちがうシンセが、そしてドイツでは質実剛健。コンテクストに基づいて、電子音をつくっていくような…

平野:どの系譜に属するか、っていう話になるのかな?

Jemapur:そういう意味でいうと、世界中の電子音楽やテクノ音楽をつくっている人たちは、日本の楽器を使っていることが多いですね。Roland、YAMAHA、KORG、AKAI・・・なのでもしかしたら・・・

平野:なるほど。そういう意味では日本かもしれないと。たとえばギターキッズはジミー・ペイジやエリック・クラプトンをヒーローとして憧れるわけですよね?

Jemapur:はい。

平野:ぼくだって、ジミー・ペイジみたいになりたいと思って、貯金を貯めてレスポールを買い、弾けもしないのに、膝までギターを垂らしてたわけです(笑)。ジェマくんの世界にはその種のヒーローはいないの?

Jemapur:そんなことではないですよ。アイコニックな人はいます。それこそぼくがノイズに行った要因となったのは、エイフェックス・ツインっていうイギリスの有名なアーティストで・・・

平野:憧れの存在だったわけね?

Jemapur:コーンウォール出身のアーティストなんですけど、世間を嘲笑うようなプロモーションの仕方を含め、とても刺激的でした。音世界の可能性や追求する姿勢を教えてくれたアーティストですね。



次回はJEMAPURさんの「理想」。

JEMAPUR⑤「音楽というよりも、音そのもの、波の機能にあるんです。」

『太陽の塔』オリジナル・サウンドトラック

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JEMAPURさんの既存のイメージとも言える電子音的な要素は鳴りを潜め、演奏家を招き、音色、リズムを全て指揮、その音をまた編集して画のストーリーにハメこんでいった。映画のサントラとしては勿論、JEMAPURという音楽家が新たな一面を見せる作品となっています。

JEMAPUR – 『太陽の塔』オリジナル・サウンドトラック
2018.10.10 Release

  1. 原初 – ORIGIN
  2. 転生 – REINCARNATION
  3. 幼生 – INFANCY
  4. 梵天 – BRAHMA
  5. 因果 – CAUSALITY
  6. 閃光 – SUNRAY
  7. 憧憬 – YEARNING
  8. 哀歌 – ELEGY
  9. 森羅 – UNIVERSE
  10. 伽藍 – TEMPLES
  11. 遍在 – OMNIPRESENCE
  12. 巫覡 – SHAMAN
  13. 相愛 – MUTUAL LOVE
  14. 久遠 – ETERNITY
  15. 渾沌 – THE CHAOS
  16. 無量 – INFINITE
  17. 日輪 – THE SUN

レーベル : ULTRA-VYBE, INC.
発売日 : 2018年10月10日(水)
※劇場では映画公開と同時に発売となります。
品番 : OTCD-6549
税抜価格 : ¥2,000(CD)

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JEMAPUR

電子音楽家、サウンド・デザイナー。2001年頃よりコンピュータを用いた制作を開始。
Eerik Inpuj Sound, #//といったネット・レーベル・シーン最深部より強い影響を受ける。
これまでにHydeOut Productions, W+K Tokyo Lab., Phaseworks, BETA, Detroit
Undergroundなどさまざまなレーベルより作品を発表、通算4枚のソロ・アルバムをリリース。
現在はウクライナ・キエフを拠点に活動するFF’Spaceとの連携をベースにマイクロ・サンプリング、アルゴリズミック・コンポジションといった抽象度の高い手法を用いて、音が知覚に対して影響・拡張し得る領域について日々研究を重ねている。
ソロの他にも、ショート・フィルムやインスタレーション、コマーシャル・フィルムなど
様々なメディアとのコラボレーションやYJYへの楽曲提供など、その活動は多岐にわたる。
近年では、2018年秋公開となる関根光才監督による初の長編ドキュメンタリー映画「太陽の塔」の音楽を全編にわたり手掛けている。

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