Repos

あいみょんと行く⑤

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岡本太郎を敬愛するシンガーソングライターのあいみょん!
最終回は「初代・黄金の顔」と対峙します!!

*この展覧会はすでに終了しております

〈前回までは〉
①「太郎さん、このときどんなことを考えていたんだろ。」
②「このすごさ、写真じゃぜんぜん伝わらないんだろうな。」
③「M ステの階段より緊張する!」
④「これが家にあったら、めっちゃアガるだろうなあ。」

「こんな意味のわからないもの、よく思いついたなあ、太郎さん。」

平野:〈黄金の顔〉に行く前に、こっちを見ようか。

あいみょん:あ! チラっと見えましたね!

平野:ここは60年代の太郎の作品を展示していて……ほら〈ノン〉。

あいみょん:あ、かわいい! めっちゃいいですね!……でも絵のほうはちょっと暗い時代の太郎さんですね。

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平野:さっき塔内であいみょんが感動した「芸術は呪術である」と宣言したのが1964年。ここにはその当時、1960年代の作品を集めているんだけど、画面を黒いモチーフが占めていて、ちょっと梵字っぽいよね。

あいみょん:太郎さんって、おばあさんが書道家だったんでしたっけ?

平野:父方のおじいさん。岡本可亭っていう書家だった。

あいみょん:そういうのもあって、書道っぽいんですかね?

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平野:そうかもね。でもぼくは、どっちかっていうと、書っぽいというより、お札やお呪いの類いに近いっていう気がするな。要するに、やっぱり呪術っぽいんだよね。

あいみょん: 描いているときの太郎さんの表情とかすごく気になる……やっぱりこういう作品でも顔や人の感じがあるのが岡本太郎節でありつつも……ちょっと怖いですね。

平野:怖いよね。

あいみょん:うわ! びっくりした!誰かスタッフさんおんのかと思った!

平野:(笑)

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あいみょん:……太郎さんが覗いてる。これはちょっとびっくり……みんな写真、撮りますね。

平野:OK! それじゃ〈黄金の顔〉に行こうか。

あいみょん:この階段の先に〈黄金の顔〉が……あー、すげー、でっかい!

平野:(笑)

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あいみょん:うおー、 思ってた以上に立体!

平野:でしょ?

あいみょん:でもボロボロだ。穴も空いてて……よくこれで持ってましたよね。

平野:うん。

あいみょん:これ、バラバラにして保管されていたんですよね?

平野:そう。裏表あわせて370枚の鉄板で出来ているんだけど、今回は表面だけを組み立てたので、169枚。

あいみょん:あーこれ、やっぱり飛び込みたくなる! ゴロゴロゴロって行きたい!!

平野:ダメだよ(笑)

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あいみょん:太陽の塔の一番上についてるから、サイズ感わからなかったけど、こんなに大きいんですね。

平野:これだけ立体的に出来ているってこともわからないよね。

あいみょん:下から見上げると、ちょっと平面っぽく見えますもんね……すごい。いや、ほんとにすごい。こんな意味のわからないもの、よく思いついたなあ、太郎さん。

平野:なににも似てないってところがすごいよね。

あいみょん:そうなんですよ!

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平野:万博の開幕から1ヶ月くらいしたころに、右眼に男が立てこもったんだけど、知ってる?

あいみょん:え??

平野:知らない?

あいみょん:どういうことですか?

平野:赤軍と書かれた赤いヘルメットをかぶった男が、右眼に立てこもって「万博粉砕!」「ハンスト貫徹するぞ!」とシュプレヒコールをあげたの。

あいみょん:東大の安田講堂みたいに?

平野:そう。でも、じつは赤軍派じゃなかったんだけどね。で、そのときちょうど太郎が会場にいたから、取材が殺到したわけ。“怒りのメッセージ”を期待した記者が太郎を取り囲んだんだけど…

あいみょん:はい。

平野:双眼鏡片手に嬉しそうに見上げながら、「イカスね」って言ったの。「ダンスでも踊ったらよかろうに」って。

あいみょん:流石だ!(爆笑) 太郎さん、そういうところがカッコいいんですよね。

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平野:けっきょく159時間にわたって籠城したんだけど、当然ながら、かなり怖かったらしいよ。

あいみょん:そりゃそうですよね。

平野:眼の中は奥行きが1.5mくらいしかなくて、中央に大きなサーチライトが設置されていたから、体を横にできる場所はライト前の幅50cmのスペースだけ。しかも全体が少し傾斜しているから、足を突っ張って寝たんだって。

あいみょん:まさに決死の行動だ。

平野:サーチライトを点灯すると男が焼け死んじゃうから、その間は片目だけしか点けられなかったんだよ。

あいみょん:見てみたかった!

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平野:そういう話だけ聞くとシリアスな事件っていう印象だけど、実際の現場はそうでもなかったらしいよ。なんていうか…けっこうほのぼのしていたらしい。

あいみょん:そうなんですか?

平野:下から小学生が見上げて「かっこいい!」「がんばれー!」なんて言うと、上から「おー!」って返したりしてね。

あいみょん:(笑)いい時代だったんですね。登った人って、まだご存命なんですか?

平野:うん、そのはず。

あいみょん:伝説の男だ!

平野:(笑)

あいみょん:近くで見ると、鉄板もかなり薄いですよね。

平野:予算がなかったし、そもそも半年もてば良かったわけだからね。鉄板の上にフィルムが貼ってあるの、わかる?

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あいみょん:この金色、フィルムの色なんですか?

平野:太郎は黄金に光らせたかったんだけど、いい方法が見つからず、スタッフが頭を抱えてたんだよね。一番いいのは金箔を貼ることだけど、もちろんそんな予算はないし。

あいみょん:はい。

平野:そんなとき、スタッフが中央自動車道を走っていたら……ユーミンの『中央フリーウェイ』って歌にあるじゃない? 「右に見える競馬場、左はビール工場」って。

あいみょん:はい!

平野:そのビール工場があってね。そこの看板が金色に光っていた。「あれはどうやっているんだろう?」って調べたら、まだ日本で発売されたばかりの「スコッチカル」っていうフィルムが貼られていることがわかった。

あいみょん:それを使ったんですね! 世の中にはヒントがいっぱい落ちているんやな。いつも周りに目を凝らしていないとダメですね。

平野:そうだね。

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あいみょん:ほんとうにすごかったです、この展覧会。大阪万博を知っている世代はもちろんですけど、若い子やこどもたちにもぜひ来てほしいです!

平野:ありがとう。今日は楽しかった。

あいみょん:こちらこそありがとうございました! すごいや、TOWER OF THE SUN!!

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