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Kosuke Sugimoto Talks ⑤ "Outsider"

杉本晃佑対談⑤「アウトサイダー」

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新進気鋭の映像クリエイターとして、多数のミュージックビオの、CM映像のディレクションを行っている映像作家、杉本晃佑さんとの対談です。

〈前回までは〉
①「音と映像が合った瞬間とか、生理的にゾクっと…」
②「漫画って、読むのは楽しいけど、描くのはそう楽しくなかったんで……」
③「音と映像が絡む瞬間」。
「ヤン・シュヴァンクマイエルなどの伝統的なチェコアニメを学びに行ったわけではないんですけど。」

第5回は「杉本さんのタッチ」について。

「毎回仕事のたびに新しいタッチに挑戦したいと思っているんですね。」

平野:なるほど。そんなチェコに杉本さんは、半分充電も兼ねて、生き方をここで見直そうということで行ったはずなのに、チョコのスタジオと契約して、仕事ばかりやってたんじゃないですか?

杉本:最初の半年間くらいは頑張って休暇をとってました(笑)。

平野:(笑)

杉本:そこでいろいろ考え直していたんですけど、だんだんと止められなくなってきてしまいまして、「映像をつくるのが好きなんだな」と、ある意味それは自分の限界を知ったというか……

平野:そうなんでしょうね。

杉本:ちょうどそのとき、半年か1年後くらいにわりと大きなプロジェクトがはじまってそこにアサインできて。

平野:すごいな。

杉本:それがラテナマジカの系統を組むものだと思うんですけど、クラシックコンサート3D 映像をプロジェクションで融合するみたいな。それを1年間くらいかけて、いろんなスタッフさんと組み上げて。



Vivaldianno 2015


平野:チェコに行って日本では経験できないような体験ができたっていうことはなにかあります?

杉本:芸術的のことではないですけど、向こうでは働きすぎるとほんとうに白い目で見られるんで……

平野:(笑)

杉本:日本は働きすぎる人に若干まだリスペクトがありますけど、向こうではほんとうに「正気か?」っていう顔で見られるんで。

平野:(笑)なるほど。

杉本:働きすぎて恥ずかしいっていう。その辺は少し心に傷が残っているというか……

平野:(爆笑)

杉本:今は前より頑張って休みをとるようにしています。

平野:(笑)

杉本:でもその分、短い時間でぎゅっとつくりますからね。プロフェッショナルな感じはします。

平野:やっぱり生産性が高いでしょう?

杉本:そうですね。チェコ人は職人気質で日本人に近いと思いますね。それこそ濃いものも短期間で効率的につくり上げようとするのはすごく勉強になりましたね。

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平野:そうやって映像作家として、第一線で第一級の仕事をされているわけですけど、若い人たちにどんなトレーニングをしてきたのかって気になっていると思うんです。

杉本:トレーニングですか。

平野:映像をつくるっていう技術を磨くためにどんなトレーニングをしてきたんですか?

杉本:難しいですね。

平野:日々仕事をされているわけだからそれがトレーニングって言えばそうかもしれないけれど……なにか気をつけていることとか意識していることとかありますか?

杉本:先ほど平野さんがおっしゃったように自分自身のタッチとか固執してるわけじゃなくて。むしろ毎回仕事のたびに新しいタッチに挑戦したいと思っているんですね。

平野:いいですね。

杉本:もともとただの手描きアニメーションではじめたんですけど、だんだんと実写に興味が出てきて、なんとか実写を仕事でやれるように考えてきて、それで実写ができたらアニメーションをまぜてみよう。それで物足りなくなって3Dをやって、モーショングラフィックスになって……

平野:そこはやっぱり意図的に意識的にやってるんでしょう?

杉本:そうですね。

平野:それはよくわかります。でも逆に言うとクライアント側から「あなたのあの作品がよかったので、あの作品のテイストでやってください」って言われることもあるでしょう?

杉本:多いですね。

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平野:そういうときは「それもそうなんですけれども、こういう技術を入れてこんな新しい作品にしませんか?」って提案したりするんですか?

杉本:しますね。今回のDays of Delightのときもそうだったんですけど、3案ぐらい出させてもらって、うち一つか二つはこれまでやっとたことのあるものの延長線上で。

平野:なるほど。

杉本:もう一つは「こんなのやったことないんですけど、どうでしょう?」っていう。もちろんそれを選んでいただけるかはわからないし、プッシュするときもしないときもあります。

平野:その話は若い人たちに非常に役に立ちますね。



次回は「Days of Delight」。

⑥「憧れの時代を疑似旅行してみたっていうイメージがいちばん近いかな。」

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杉本晃佑(すぎもと こうすけ)

映像作家

1983年生まれ。アニメーション・実写・3DCG・モーショングラフィックスなどを用いた映像と音楽とを緻密に融合させた構成、歌詞や広告商品などを独自に掘り下げたストーリー構築を得意とし、MV、CM制作を主として活動。近年はSEKAI NO OWARIやSCANDALのMV、NHKみんなのうたなどを手がける。また「the TV show」「これくらいで歌う」などの個人作品は国内外の多数の映画祭・コンぺティションで受賞。
2014年からプラハを拠点にヨーロッパでの活動も開始。映像監督を務めた3D映像コンサート「Vivaldianno 2015」はイギリス・ドイツ・チェコなど15ヶ国以上で上演、クラシックコンサートとしては異例の20万人以上の動員となる。2018年、東京に株式会社Studio12を設立。

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