Repos

Kanji Yumisashi Special exhibition interview !

【速報】弓指寛治 特別展示インタビュー!

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――それにしてもすごくおびただしい数の蛆虫ですね。

弓指: 蛆虫で画面が白くなっていって、そうするとせっかく迫力ある馬を描いたのに消えていくんです。ぜんぶ真っ白にしてしまうとよくない気がして、そこのせめぎ合いがありましたね。

――あと絵が飛び出ているのがとてもいいですね。

弓指:あそこは肝ですね。あれは豚の皮なんですけど、それを貼って伸ばしました。

――こちらの絵も?

弓指:豚の皮です。

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――戦争を描かれてみて、追体験というかなにか感じられましたか?

弓指:ぼくの祖父が中国の満州に行って引き揚げてきたんです。兵士ではなくて中学生くらいの年齢。満州に行くと食べ物がいっぱいあるという情報を聞いて行ったらしいんですけど。
なので戦場の話というよりは中国での話みたいなものをよくしてくれていたんです。中国人に手品を教えてもらったとか。
それを聞いてたっていうのがあったんで、もちろんぼくも戦争はよくないとは思うんですけど、それをここで全面に押し出して描くべきじゃないような気がしたんです。
昔の人が描いていたような「戦争の悲惨さ」はぼくには実体験がないから絶対に描けないし、乗り気になれないものがあります。

――戦争っていう状況に置かれた人の気持ちにはなれないと。

弓指:だからこそのアプローチっていうか、ひっくり返ってやるしかないと思ったんです。
祖父から聞いていたように、悲惨でつらいだけ、ではない絵を描くように心がけました。

――この絵はなんていうか、可愛いしユーモアもありますよね。

戦争がよくないのは当然ですけれど、ぼくがそれを上から言うのはなんか違うってずっと思っていましたね。
ちょっとズラして見方を変えて・・・「いのち」とはなにかって思うと、太郎さんは戦争に行ったけどそこから帰ってきたっていうのが重要で。そこに視点をズラしました。

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――たしかにこの絵はすごくパワフルですね。

弓指:そうなんです。この馬は死んでいて、蛆虫がこんなにいるのになにか生を感じるというか。
描くときに蛆虫をネットで検索して画像を見ながら「気持ち悪い!」って思いつつ描いていたんですけど、よくよく考えると蛆虫って死体の処理をする役割ですよね。死んだものの後処理をしてくれている。
それってつまり死後の仕事をしているんです。
ぼくは母を亡くしているし、太郎賞のときに出した岡田有希子さんの《Oの慰霊》なども、死んだ人の後について語ったりとアプローチをしている。
そういう意味ではぼくの役割と蛆虫の役割は近いような気がしているんです。
それともう1つは蛆虫って赤ちゃんですよね? 命の塊なんです。必死に生きようとして、ご飯を食べている。
太郎さんは戦場で絶対に死にたくなかったはずです。その生への執着は生まれたばかりの蛆虫に通ずるものがある。だから「蛆虫」は太郎さんであり僕でもあるように思います。

だからこの絵は生と死や命がぜんぶ混ざっている形にする必要があったんです。

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