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Daisuke Sasaki Talks ③ "The spirit of Jomon"

佐々木大輔対談③「縄文の精神」

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日本人でただ一人、世界で最も過酷で危険なエクストリームスポーツの「スキーベースジャンプ」をされている佐々木大輔さんとの対談です。
第3回目は「世界で最も危険で過酷なスポーツ」

〈前回までは〉
①「この絵はわたしの母親が岡本太郎さんに描いてもらったものなんです。」
②「こういうものは、うちにあってはいけないです!」

「ほんの数秒間なんですけど、その数秒間だけ、時がゆっくり流れていくんです。」

平野:スキーベースジャンプの話の前に、まず太郎とスキーをしたという伯父さんの話をお聞きしないと。

佐々木:母親の兄なんですが、去年の6月に89歳で亡くなりました。いまもあるインストラクターの団体である SIA=日本プロスキー教師協会をつくろうとなったときの最初のお客様が太郎さんだったらしいんです。

平野:え? 太郎が「お客様」? スキー教室の生徒みたいなイメージですか?

佐々木:そうですね。

平野:いつ頃のことです?

佐々木:55年前って言っていました。

平野:55年前・・・1964年だとすると、太郎は53歳。46歳でスキーをはじめたから、7年後ですね。なんで太郎はそんなことになったんだろう?

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佐々木:どういったきっかけかはわからないんですが、SIAは三浦雄一郎さんらと一緒につくり上げたものなので・・・

平野:あ、じゃあ三浦さんだ! 三浦さんと太郎は仲が良くて・・・太郎のスキーの先生みたいなものでしたから。

佐々木:そういったことでスキーが大好きな方々がお集まりになったんじゃないかと思います。場所は新潟の石打丸山っていうスキー場なんですけど、伯父がインストラクターとして働いていた時期があって、そこに岡本太郎さんがいらっしゃってスキーを一緒にしたそうです。

平野:いまの話をあと20年早く聞けていたら、敏子に聞けたんですけどね。敏子はだいたい覚えていたから・・・あ、でも調べてみますね。日記とか業務記録とか、この日付からなにかわかることがあるかもしれない。

佐々木:ぜひともお願いします!

平野:ではいよいよ、スキーベースジャンプについて聞いていきたいんですけど。

佐々木:ハイ!

平野:ぼくはスキーをやらないから、スキーのことはなにもわからないんですけど・・・

佐々木:ええ。

平野:じつはスキーベースジャンプっていうのも今回はじめて知ったくらいで、申し訳ないです。

佐々木:いえいえ、そういう方、多いですよ。

平野:もとになっている「ベースジャンプ」っていう崖から落ちるスポーツも知らなかった。で、今回こういうご縁があったので YouTubeを見てみたんですけどね。

佐々木:ありがとうございます。

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平野:びっくりしました。ネットの情報によると「スキーベースジャンプは世界で最も過酷で危険なスポーツ」らしい。

佐々木:そう言われます。

平野:しかもそれをやられている日本人は佐々木さんおひとり。

佐々木:スキーが入って、となるとわたしだけですね。

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平野:動画を見たときの第1印象は・・・「イカレてる」でした。はっきり言って、クレイジーです。

佐々木:(笑)

平野:あ、これ、ディスってるんじゃないですよ。「イカレてる」って、ぼくの最上級の褒め言葉ですから。

佐々木:嬉しいです(笑)。

平野:最初にイメージしたのは、とうぜんながら「死」でした。動画を見ていると、「死ぬかもしれない、この人」っていうのが頭から離れない。

佐々木:はい。

平野:「世界で最も危険で過酷なスポーツ」っていうけれど、そもそもこれはほんとにスポーツなのか、とも思いました。

佐々木:わかります。

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平野:あきらかに命を賭した冒険だし、もしかしたら荒業(あらぎょう)に近いのかもしれない。

佐々木:荒業ですか?

平野:修験者が死を覚悟しながら行う過酷な苦行です。それとおなじような匂いがするんですよ。

佐々木:なるほど。

平野:もはやスポーツという領域とはちがうものなんじゃないかと。

佐々木:そうかもしれません。

平野:ぼくにはまったく想像ができないけれど、アレをやっているときって、なにが見えているんですか?

佐々木:わたしがスキーベースジャンプで一番たのしんでいる瞬間は、崖から体がポンと離れて、パラシュートが開ききるまでの時間です。体が自由落下で落っこちている瞬間、ほんの数秒間なんですけど、その数秒間だけ、時がゆっくり流れていくんです。自分だけの景色っていうか・・・。スキーベースジャンプにはかならず妻が同行し、妻に撮影してもらうんです。万が一なにかあったときに看取ってもらうためです。

平野:そうか・・・

佐々木:「あそこに嫁さんがいるな、そこで撮っているんだな」なんて飛んでいる最中にバーッと浮かんで、その瞬間が単純に快感なわけですね。気持ちがいいんですよ。

平野:快感なんだ。



次回は「スキーベースジャンプの核心」

④「じつはわたしは高いところが怖くて。」

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佐々木大輔(ささきだいすけ)

1977年 青森県十和田市出身
2003年 アラスカ・フリーライドチャンピオンシップ優勝(日本人唯一)
2013年 富士山スキーベースジャンプ(世界初)
「スキーの歓び、可能性を世間に広める」を目標に “ベースジャンプ ” と “スキー” を融合させた「スキーベースジャンプ」で表現し最驚を目指す。
妻まなみが同行し撮影、日本のスキーベースジャンプエリアを世界でただ一人開拓し続ける。

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