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Daisuke Sasaki Talks ⑥ "The spirit of Jomon"

佐々木大輔対談⑥「縄文の精神」

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日本人でただ一人、世界で最も過酷で危険なエクストリームスポーツの「スキーベースジャンプ」をされている佐々木大輔さんとの対談です。
第6回目は「スキーの可能性」

〈前回までは〉
①「この絵はわたしの母親が岡本太郎さんに描いてもらったものなんです。」
②「こういうものは、うちにあってはいけないです!」
③「ほんの数秒間なんですけど、その数秒間だけ、時がゆっくり流れていくんです。」
④「じつはわたしは高いところが怖くて。」
⑤「繰り返しイメトレをしながら、何回も死にます。」

「ぼくがほんとうに熱望しているのは太陽の塔から飛びたいってことですから。」

平野:けっきょく、なにがいちばん大事で、なにを目指しているんだろう? 前人未到っていう言葉がありますけど、それですか?

佐々木:けっして前人未到であること自体を目的にしているわけではないんですが、結果的にそうなってしまうんですよね。

平野:そうでしょうね。

佐々木:たとえば、富士山に登っている人はたくさんいますけど、そこを飛ぶ人はこれからもあまり出てこないと思うので、結果としてそうなっているんです。

平野:だとすると、大事なことって・・・

佐々木:スキーベースジャンプをつくったシェーン・マッコンキー(スキーベースジャンプを創り出した、フリースキーの第一人者)は、スキーでできることの可能性を広げたいと言ってました。

平野:なるほど。

佐々木:スキーって、こんなこともできるんですよ。皆さんスキーっておもしろいでしょ? っていうのを見せたいんですよね。

平野:スキーの可能性。そういうふうに考えると、飛ぶのはかならずしも山じゃなくていいってことになりませんか?

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佐々木:まさにそうなんです。ぼくがほんとうに熱望しているのは太陽の塔から飛びたいってことですから。

平野:(爆笑) さすがにアレだと、ただ落ちて終わりじゃない?

佐々木:でもほんとうにベースジャンプをやってるからすごく山が好きだっていうイメージをもたれがちなんですが、わたしは自然が好きでも嫌いでもなくて、崖があるから行っているだけなんです。雪がついてて斜面があるから滑っているだけで・・・

平野:あ、そうなんだ。極論すれば、海のなかで滑れるんだったらそれでもいいっていうこと?

佐々木:もちろんです。最高だと思いますよ。毎日滑りに行きます。

平野:佐々木さんはいわゆるスキージャンプには行かなかったわけでしょう? もしスキージャンプをやっていたらハマっていたかもしれない、っていう感じはあります?

佐々木:やっぱりちがうと思いますね。感覚としてはスキージャンプってわりと前に前に飛んでいくじゃないですか。すごく距離は飛んでいるけれど、着地にする地面に対してはそこまで離れていない。

平野:ああ、なるほど。

佐々木:スキーベースジャンプの場合は、何百メートルの高さから飛び降りるっていう感覚で飛ぶので・・・

平野:それ、「飛んでる」って言うのかなあ。 正しくは「落ちてる」じゃない?

佐々木:はい。落ちてます。

平野:やっぱり(笑)。

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佐々木:じっさい「飛んでる」っていう感覚はそんなにないですね。

平野:その瞬間はスカイダイビングに近いのかな?

佐々木:そうですね。

平野:スキーベースジャンプでスキーの可能性を広げたい。突き詰めたい。それをやろうとすれば、向かうべき山もどんどん難しい高いところ、それこそエベレストとか、そのクラスになっていくんじゃないかと思うんですよ。

佐々木:はい。

平野:ネパールへ行って、ベースキャンプをつくって、みたいな。そうなると、スキーの可能性を広げる前に、まずは険しい山に登らなきゃならない。

佐々木:そうなんです。

平野:もしかしたら、そっちの方がよっぽど大変なんじゃないかな。

佐々木:おっしゃる通りです。

平野:だれかがピックアップして運んでくれるわけじゃないですもんね。

佐々木:わたしは登るのが苦手というか、嫌いなので、正直しんどいですね。

平野:登る技術って、どうやって身につけたんですか? 完全に「登山」ですもんね。

佐々木:繰り返して覚えていくってことしかないので、何度も足を運んで体に覚えさせるんです。

平野:そうやって何日もかけて登っていって、数十分で帰ってくることもあるんでしょ?

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佐々木:ありますね。スキーベースジャンプ自体は競技がないので、たとえばCM撮影とかなにかのプロモーションのときはヘリコプターでポンと行って飛んでくる人もいますけど、我々の場合はお金もないので通常だと山に2泊以上して。

平野:そうですよね。途中でテントを張って?

佐々木:はい。で、余裕をもってイメトレして、何回も死ぬ時間をもつ。

平野:うん(笑)。

佐々木:大体は2日以上かけて行って、まず準備して寝床をつくっておいて、下見を何度もして・・・

平野:で、降りてくる時間は?

佐々木:5分かからないです。

平野:(爆笑)

佐々木:最高の快感を感じる時間は5秒もないですね。

平野:2、3日かけて5秒か・・・。でもそこだな。3日かけたものが5秒に圧縮される快楽。それはメッチャ強烈だ。

佐々木:そういうことなんです。

平野:あー、それはやめられないわ(笑)。



次回は「スキージャンパーになった理由」

「『オレ、プロレスラーになるから!』と大見得を切っていたので、」

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佐々木大輔(ささきだいすけ)

1977年 青森県十和田市出身
2003年 アラスカ・フリーライドチャンピオンシップ優勝(日本人唯一)
2013年 富士山スキーベースジャンプ(世界初)
「スキーの歓び、可能性を世間に広める」を目標に “ベースジャンプ ” と “スキー” を融合させた「スキーベースジャンプ」で表現し最驚を目指す。
妻まなみが同行し撮影、日本のスキーベースジャンプエリアを世界でただ一人開拓し続ける。

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