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Daisuke Sasaki Talks ⑦ "The spirit of Jomon"

佐々木大輔対談⑦「縄文の精神」

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日本人でただ一人、世界で最も過酷で危険なエクストリームスポーツの「スキーベースジャンプ」をされている佐々木大輔さんとの対談です。
第7回目は「スキージャンパーになった理由」

〈前回までは〉
①「この絵はわたしの母親が岡本太郎さんに描いてもらったものなんです。」
②「こういうものは、うちにあってはいけないです!」
③「ほんの数秒間なんですけど、その数秒間だけ、時がゆっくり流れていくんです。」
④「じつはわたしは高いところが怖くて。」
⑤「繰り返しイメトレをしながら、何回も死にます。」
⑥「ぼくがほんとうに熱望しているのは太陽の塔から飛びたいってことですから。」

「『オレ、プロレスラーになるから!』と大見得を切っていたので、」

平野:つぎに、佐々木さんがどのようにしてスキーベースジャンパーになったのかっていう話をお聞きしたいんですけど。

佐々木:小さい頃から、それこそ太郎さんと滑った伯父もそうですし、わたしの祖父もスキーが大好きで。

平野:スキー一家だったわけですね?

佐々木:みんなスキーが好きでした。伯父が十和田湖のふもとにあるスキー場でスキースクールをやっていたので、そこに父親に連れられて遊びに行って・・・父親は友だちと楽しくスキー。ぼくは兄弟と野放しにされるんで、「寒いな、おもしろくないな」って。

平野:スキーは楽しくなかった?

佐々木:はい。スキー好きの父は「冬休みの宿題は雪がなくなってからでもできるけど、スキーは雪がないとできないんだぞ!」って。ぼくはコタツでぬくぬくして、お笑い番組でも見ながら宿題をやりたかったのに。

平野:うん(笑)。

佐々木:中学校になってプロレスを知ってからは、プロレスラーになろうと思ったんです。プロレスラーなら、体を鍛えればワンチャンスあるかもって思って。

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平野:だれがスターだった時代ですか?

佐々木:アントニオ猪木の引退前で、ちょうど前田日明、武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋の時代です。でもいちばん好きだったのは獣神サンダーライガーでした。あのマスクマンの姿がかっこいいと思って。

平野:ぼくの頃は猪木の全盛期でした。猪木、坂口、藤波、長州…、国技館で観た猪木 vs ボブ・バックランド戦はまだ目に焼きついてます。坂口征二 vs アンドレ・ザ・ジャイアントもおもしろかったな。

佐々木:最高ですね。わたしのいちばんのプロレス仲間が長州力が大好きで、昔の映像をどんどん見せてくれて・・・それで「猪木の時代」を知って、プロレスっておもしろいしかっこいいな、ってハマっていったんですよね。

平野:ウィレム・ルスカやウィリー・ウイリアムスなんかとやった異種格闘技戦も興奮したな。

佐々木:それで高校のレスリング部に入ったんですけど、身長も伸びないし、成績もダメで。これはもうプロレスなんか絶対無理だと。アマチュアレスリングが無理ならプロレスなんてできるわけないって諦めたんです。でもそうなると進路がないわけです。

平野:うん。

佐々木:地元で働こうかなとも思ったんだけど、「オレ、プロレスラーになるから!」と大見得を切っていたので、それもカッコ悪いし・・・

平野:わかるー(笑)。

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佐々木:そんなとき、カナダでワーキングホリデーを使ってスキーで仕事ができるよって兄から教えてもらったんです。

平野:そこでまたスキーをやることになったわけだ。

佐々木:カナダに行ったら、わたしが見たことのないスキーをやっている人たちが大勢いて。

平野:カナダのどこですか?

佐々木:ウィスラーです。北米やヨーロッパのスキー場って、日本のスキー場とはちがうんですよね。スキー場の中に10mの崖があって、普通に滑っていると出くわすんです。

平野:日本だととうぜん立ち入り禁止ですよね。

佐々木:海外だと「クリフ」っていう看板があるだけで、よけるもよけないも好きにしてっていう感じで。

平野:へえ。

佐々木:そこでぼくの知らないスキーをやっていたんです。「こんなスキーがあるんだ!」って。危険だし怖かったけど、勇気を出してやってみたら、なんだかふわっと飛んでいる気持ちよさを感じたんですね。

平野:上手く飛べたんだ。

佐々木:いえいえ、着地も失敗して、スキーも外れてゴロゴロ転がって、回収も大変でした。でも、「あれ?スキーってなんかおもしろい感覚あるじゃん!」って思いはじめて。

平野:飛んだのはそれがはじめて?

佐々木:そうです。長いことスキーをやったけど、はじめてスキーにちょっとだけハマりました。

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平野:ワーキングホリデーということは、スキーで仕事をするわけですよね? なにをされてたんですか?

佐々木:JTB さんの現地の駐在員みたいなことをしていました。ウィスラーのスキー場だと二つのスキー場があって、ひとつのスキー場にコースが100以上あるんです。なので、お客さんが迷ったり危険なコースに出て怪我したりしないように、スキーガイドが必要なんです。

平野:もちろんそれはデスクに座ってやる仕事ではないでしょう?

佐々木:一緒に現場に行きます。

平野:てことは、少なくともお客さんより上手でなきゃ話にならないわけですよね?

佐々木:はい。

平野:でもいままでの話を聞く限り・・・

佐々木:そうなんです。ぜんぜん上手くなかったんだけど、幸か不幸か、高校時代にレスリングで体を鍛えていたこともあって、体力的には申し分なかったのと、小さい頃からスキーで遊んでいたので、技術的には大したことなくても毎日滑れるだけのコツはわかっていたので。

平野:それはやっぱり人並み以上に滑れてたってことですよ。謙遜しておられるけど、考えてみたら、いまあんな荒くれた急斜面を滑っているんだから、よっぽど上手かったにちがいないんです。



次回は「スキーのパワーに魅せられた」

「彼のすごい滑りを見て、大歓声がボンボンって。」

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佐々木大輔(ささきだいすけ)

1977年 青森県十和田市出身
2003年 アラスカ・フリーライドチャンピオンシップ優勝(日本人唯一)
2013年 富士山スキーベースジャンプ(世界初)
「スキーの歓び、可能性を世間に広める」を目標に “ベースジャンプ ” と “スキー” を融合させた「スキーベースジャンプ」で表現し最驚を目指す。
妻まなみが同行し撮影、日本のスキーベースジャンプエリアを世界でただ一人開拓し続ける。

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