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Daisuke Sasaki Talks ⑧ "The spirit of Jomon"

佐々木大輔対談⑧「縄文の精神」

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日本人でただ一人、世界で最も過酷で危険なエクストリームスポーツの「スキーベースジャンプ」をされている佐々木大輔さんとの対談です。
第8回目は「スキーのパワーに魅せられた」

〈前回までは〉
①「この絵はわたしの母親が岡本太郎さんに描いてもらったものなんです。」
②「こういうものは、うちにあってはいけないです!」
③「ほんの数秒間なんですけど、その数秒間だけ、時がゆっくり流れていくんです。」
④「じつはわたしは高いところが怖くて。」
⑤「繰り返しイメトレをしながら、何回も死にます。」
⑥「ぼくがほんとうに熱望しているのは太陽の塔から飛びたいってことですから。」
⑦「『オレ、プロレスラーになるから!』と大見得を切っていたので、」

「彼のすごい滑りを見て、大歓声がボンボンって。」

平野:動画を見て、佐々木さんはオリンピックの大回転に出られるんじゃないか、って思ったんだけど・・・

佐々木:いやいや、まったく感覚がちがいます。だいいちスピードが怖いので、出したくないし。

平野:あ、そうだった(笑)。

佐々木:スピードを出してレースをしている人たちの気が知れないです。

平野:(笑) でも佐々木さん、じっさいすごいスピードで滑ってるじゃないですか。

佐々木:あれは自分から出しているわけじゃないんです。出ちゃってるだけで。

平野:(爆笑)

佐々木:レースをやっている人たちは自分で出しているじゃないですか。しかもコンマ何秒の世界で戦わなければならない。それはすごく大変なことだと思うんです。ぼくの場合はスキーに乗っていたら出ちゃってた、っていうだけなので。

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平野:なるほど(笑)。で、ガイドをしていたときにスキーベースジャンプに出会うんですね?

佐々木:そうです。たまたまシェーン・マッコンキーの滑りを見る機会があって。

平野:あ、そうなんだ。

佐々木:すごく感動して、オレもこんなふうに滑りたいと思って・・・カナダの大会にシェーンが来たときに、夜のパーティー会場に潜り込んだんです。「すごかった!」って言ったら、「日本人でオレたちの大会に出てくれる人を待ってるよ」って言われて。すぐに調子に乗って、次の日から「オレ、大会に出るから!」みたいな。

平野:あれ、でもスキーベースジャンプに競技はないんですよね?

佐々木:いまの話はパラシュートを使わないで滑る競技です。大きい崖でも30メートルくらいかな?

平野:なんていう競技なんですか?

佐々木:「エクストリームスキー」です。いまは「フリーライドチャンピオンシップ」といって、日本でも世界大会の予選をやったり、白馬で世界大会をやったりしています。ぼくはそれより前のワールドエクストリームスキーイングチャンピオンシップスっていうのに2002年にはじめて招待されました。その大会に向けて滑りを自分で練習していったんです。

平野:いくつくらいのときですか?

佐々木: 20歳のときです。ワーキングホリデーが終わり、JTB さんからビザをもらって現地で働いていました。

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平野:それからシェーン・マッコンキーを追いかけるわけですね。

佐々木:はい。大会に出たらシェーンがとても喜んでくれて。わたしが出たのはアメリカ・ユタ州の大会だったんですけど、ちょうどわたしのスタートの前がシェーンだったんです。スタート台で彼を見送ると、遠くに見える客席が爆発している。彼のすごい滑りを見て、大歓声がボンボンって。その滑りを見て、スキーってこんなにパワーがあるんだと思って、ガイドをやめてこのスキーでやっていこうと決めたんです。

平野:佐々木さん自身もスキーのパワーに魅せられたわけですね。

佐々木:それで中古車を買って、そこに寝泊まりしながらアメリカを回っていました。3年間ぐらいそういう生活をしていたんですけど、ぜんぜん芽が出なくて。

平野:25歳くらいですか?

佐々木:そうですね。予選で落ちるか予選はクリアしたけど決勝には出られない。そんなのがつづいてもう引退だなと。そう思ってやめようとした年に、いい成績が出てしまって、世界大会に招待を受けたんです。次の年にはアラスカで優勝できて、自分がやってきたことは間違いではなかったと。思えばそのとき太郎さんの『自分の中に毒を持て』をもって歩いていました。

平野:それは嬉しいな。

佐々木:技術的にも行きたいと思ったところを滑れるようなってきて、自信がついてきたんですけど、そんなときにシェーン・マッコンキーが2009年に亡くなってしまって。イタリアでスキーベースジャンプをやっていたときでした。彼はベースジャンプの他にもう一つプラスしていて、ムササビスーツっていうウィングスーツを着て、スキーをしたあとにスキーを外してムササビをやって、最後にパラシュートで着地というのをやっていたんですけど、そのときは片方のスキー板を外すことができなくて、そのまま落下してしまったんです。

平野:10年前ですね。

佐々木:スキーに対して目標がなくなってしまったし、技術的にも限界を感じて・・・



次回は「伝えたいこと」

「『なにをバカなことやってるんだろ?』でもいいんです。」

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佐々木大輔(ささきだいすけ)

1977年 青森県十和田市出身
2003年 アラスカ・フリーライドチャンピオンシップ優勝(日本人唯一)
2013年 富士山スキーベースジャンプ(世界初)
「スキーの歓び、可能性を世間に広める」を目標に “ベースジャンプ ” と “スキー” を融合させた「スキーベースジャンプ」で表現し最驚を目指す。
妻まなみが同行し撮影、日本のスキーベースジャンプエリアを世界でただ一人開拓し続ける。

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