Talks

COMA-CHI TALKS ① “ Being I ”

COMA-CHI対談①「“I”であること」

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日本を牽引する女性ラッパーであるCOMA-CHIさんとの対談です。
第一回目は「女性ラッパー」

②「『自分は女性の代弁をしなければいけないの?』って思い込んでしまって。」
③「『このままじゃ音楽が嫌いになる! 情熱が死ぬ!』みたいな気分になったんです(笑)。
④「太陽の塔のモチベーションは縄文だったということですか?」
⑤「お客さんのエネルギーのほうがよっぽど縄文なのに、このままのわたしが縄文を歌ってもしょうがない。」
⑥「自分のクリエイションに忠実でありたいという、そこなんでしょうね。」
⑦「いまなおつづけているという女性が日本のヒップホップ界にはあまりいないんですね。」
⑧「わたしはそれを“縄文バイブ ス”って呼んでいるんですけどね(笑)。」
⑨「『わたしはこうだ』と自分から 発信するべきだって思うんです。 」

「わたしがはじめた頃は女性のラッパーってほとんどいなかったんです。」

平野:今日は女性ラッパーの第一人者として、日本のラップシーンで不動の支持とリスペクトを集めるCOMA-CHIさんにお越しいただきました。お目にかかるのは今日がはじめて。とても楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いします!

COMA-CHI:こちらこそ! さっそくですが、これ、よかったら聴いてください。最新アルバムの『JOMON GREEN』と、絵本つきEPの『太陽を呼ぶ少年』です。

平野:ありがとう! あ、このジャケット、カッコいいなあ。あれ? このふたつを描いたの、おなじ人?

COMA-CHI: TOKIO(青山宗央)君という秋田の画家です。この『太陽を呼ぶ少年』という絵本は、わたしが考えたストーリーに彼が絵を描いてくれたもの。「太陽の塔」も出てくるんですよ。

平野:へぇ、そうなんだ。

COMA-CHI:それで、いまさらなんですけど、名前を使ってよかったのかなって……(笑)

平野:「なんでも知っている太陽の塔というものがあるらしい。物知りの塔に尋ねてみた」……うん、おもしろそうだ。

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COMA-CHI:お母さんたちがアメリカンドリームという病気にかかってしまって、動かなくなっちゃう。それを助けるためにこどもが冒険をする物語です。この「太陽の塔」がしゃべるんですけど、うしろにほんとうの顔があって、じつは泣いているっていう……おもいきり太郎さんの《太陽の塔》にインスパイアされています。

平野:〝ほんとうの顔〟が後ろに……、ああ、なるほど。CDはこの物語のサントラ盤ですか?

COMA-CHI:そうです。

平野:あっ、「太陽の塔」っていう曲がある!

COMA-CHI:そうなんですよ。

平野:COMA-CHIさんは作曲もされるの?

COMA-CHI:メロディはつくります。オケは一緒にやっているバンドの人がつくってくれるんですけど。

平野:そうなんだ。じっくり聴かせてもらいますね。

COMA-CHI:ぜひぜひ。

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平野:きょうはいろいろとお伺いしたいことがあって。まずはCOMA-CHIさんがどんなプロセスでラッパーになったのか、というあたりからお話いただきたいんですけど……

COMA-CHI:はい。

平野:ぼくが音楽と出会ったのは70年代初頭。ロックやジャズを聴いて育ったこともあって、ラップやヒップホップのムーブメントには間にあわなかった。だから、ド素人だと思ってください。

COMA-CHI:以前、ダース(レイダー)さんと対談されていましたよね。

平野:そうそう。彼にイチから教えてもらいました。ラップって、黒人のストリートカルチャーからはじまったものでしょう? そういう出自もあって、やっぱりマッチョな匂いがする。

COMA-CHI:そうですね。

平野:だから、こうして女の子がラップをやってるってこと自体が、とても新鮮なんです。くだらない先入観かもしれないけど、ラップっていうワードを聞くと、反射的に筋肉ムキムキの黒人男の映像が出てきちゃうから。

COMA-CHI:そうですよね(笑)。

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平野:COMA-CHIさんはなぜ、どういう経緯でラップをやることになったんですか?

COMA-CHI:わたしも最初はロックから入ったんです。中学生のときにジャニス・ジョプリンが好きで、そこからバンドをはじめて……

平野:ジャニス・ジョプリン? なるほど。きっかけはごく普通だったわけだ。で、そこからどうやってラップに?

COMA-CHI:当時、ロックとラップがかけあわされた「ミクスチャー」っていう音楽ジャンルが流行っていたんですね。

平野:それはいつ頃の話?

COMA-CHI:90年代前半です。それでRage Against the Machineっていうバンドに影響を受けて、そのコピーバンドをやっていて。

平野:そのバンドを通じてラップに興味をもちはじめていくわけですね?

COMA-CHI:そうです。おなじ時期にLauryn Hillっていうアーティストがすごくブレイクして。それまでに聴いてきたものとちがう、ソウルフルな歌声に触れて、そこからR &Bやヒップホップを聴きだして……

平野:Lauryn Hillって、出てきたときにぼくもCD買ったけど、ラップっていうイメージじゃなかったけどなあ……。

COMA-CHI:一般的にはシンガーとしてフィーチャーされていたと思います。でも一方で彼女はThe Fugeesというヒップホップのチームもやっていて、それも好きだったんですよね。

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平野:てことは、あの時代にLauryn Hillに憧れてラッパーになろうと思った女の子がけっこういたわけだ。

COMA-CHI:いたはずなんですけど……、じつは、わたしがはじめた頃は女性のラッパーってほとんどいなかったんです。

平野:あ、やっぱり。

COMA-CHI:いまでは日本も女性のラッパーだけじゃなくて、芸人さんとか、女の人がものを申せる時代になりましたけど、15年前くらいだと「女性が物申す」のがカルチャーにあわない、っていう感覚があったのかもしれないですね。



次回は「役割を演じる」

②「『自分は女性の代弁をしなければいけないの?』って思い込んでしまって。」

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COMA-CHI

東京都出身のラッパー/歌手。
ロック・バンドやアコースティックギターの弾き語りなどから独学で音楽活動を開始。
15歳でヒップホップに傾倒し、2003年よりラッパーとして始動。
MCバトルで輝かしい戦績を残した後、メジャー・デビュー。
出産・育児期間を経て、2018年に5thアルバム『JOMON GREEN』をリリース。

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