Talks

COMA-CHI TALKS ⑥ “ Being I ”

COMA-CHI対談⑥「“I”であること」

P1860183

日本を牽引する女性ラッパーであるCOMA-CHIさんとの対談です。
第六回目は「わたしの世界」

〈前回までは〉
①「わたしがはじめた頃は女性のラッパーってほとんどいなかったんです。」
②「『自分は女性の代弁をしなければいけないの?』って思い込んでしまって。」
③「『このままじゃ音楽が嫌いになる! 情熱が死ぬ!』みたいな気分になったんです(笑)。」
④「太陽の塔のモチベーションは縄文だったということですか?」
⑤「お客さんのエネルギーのほうがよっぽど縄文なのに、このままのわたしが縄文を歌ってもしょうがない。」

「自分のクリエイションに忠実でありたいという、そこなんでしょうね。」

平野:話はガラッと変わるけど、COMA-CHIさんは楽曲をどんなプロセスでつくっていくんですか?

COMA-CHI:パターンとしては、あるテーマだったり歌詞だったり、言葉が生まれて、そこに音を乗せていくっていう感じです。

平野:「詞」からつくりはじめる?

COMA-CHI:詞片みたいなものがあって、そのイメージを一緒にやる人に伝えて、そこでできたものをまた解体して、もう一度はめていくっていう感じかな。

平野:もちろん、その作業は即興やフリースタイルではないんでしょう?

COMA-CHI:はい。練っていきます。

平野:詞やテーマのインスピレーションはどこから来るんですか?

COMA-CHI:うーん、えーと……宇宙?(笑)

平野:なるほど(笑)。でも、ロジカルに考えていくこともあるでしょ?

COMA-CHI:ロジカルになるのは第2段階ですね。第1段階は「なんだかよくわからないけど、これだ!」って感じです。

平野:「理由はないけど、とにかく次は縄文で行くぜ!」みたいな?

COMA-CHI:そうです、そうです。
それをどういう作品にしていくかを考えるのはそのあと。それが第2段階。わたしの場合は、太郎さんのように、自分ひとりでは完成させられないので、仲間にイメージを伝えて共有していくんです。それでまた広がったりもするので。

P1860162
平野:もちろん詞を書いて歌うだけじゃ終わらなくて、サウンド全体がグルーヴしなきゃいけない。そのコントロールはどうやっているんですか? どんなふうにしてあのサウンドがつくられているんだろうって、すごく興味があって。

COMA-CHI:「この音をこういうふうにして」とかいうこともありますね。

平野:音楽として煮詰めていくときは、やっぱり何度も繰り返しながら地道にやっていくんでしょう?

COMA-CHI:というより、「そのままでわたしの世界にはまる音」を選んでいる、っていう感じかもしれないですね。

平野:「わたしの世界」といえば、とくにラップは、MV やコスチュームなどを含むビジュアルの世界観が大きな意味をもつ音楽のひとつだと思うんだけど……

COMA-CHI:そうかもしれません。

P1860070
平野:ジャズはもちろん、ロックだって、ステージに舞台美術が無くてもなんとかなるし、なんなら道端でやったって問題ない。コスチュームだってT シャツとジーンズでいい。でもCOMA-CHIさんのPVを見ると、世界観をつくりあげることに大きなエネルギーを注いでいますよね。音楽と環境が相乗的に醸し出す空気を綿密に計算しているように見える。

COMA-CHI:ありがとうございます。

平野:そういった世界観の構築みたいなことはどうやっているんですか?

COMA-CHI:うーん……どうやってやるんでしょうねぇ。……なにも考えてないかも(笑)。

平野:あ、そうなの?(笑) MVをいくつか見たけど、すごく練りあげられているように感じたけどなあ。

COMA-CHI:もちろんそのときどきで、「これはこうじゃない!」とか「これはもっとこう!」とか、細かいことは言ってますけど……。最初からすべての絵が見えているというよりは、その場その場で積み重ねて、だんだん絵になっていくという感じです。

P1860026
平野:「COMA-CHIの世界」を練りあげているプロデューサーはじつに優秀なヤツだと思って見てたんだけど……。

COMA-CHI:あ、そんな人、いないです(笑)。

平野: COMA-CHIさんがプロデューサーとしてあの世界観を構築しているってことだ。

COMA-CHI:じつはもうちょっとうまくできるんじゃないかって思っているんですけどね。

平野:計算高い感じも、無理している感じもぜんぜんなくて、じつにナチュラル。それでいてすべてに芯がとおっている。

COMA-CHI:嬉しいです。自分のクリエイションに忠実でありたいという、そこなんでしょうね。それをやっているから、結果的に辻褄があっちゃうんだと思います。



次回は「わたしの役割」

⑦「いまなおつづけているという女性が日本のヒップホップ界にはあまりいないんですね。」

P1860172
COMA-CHI

東京都出身のラッパー/歌手。
ロック・バンドやアコースティックギターの弾き語りなどから独学で音楽活動を開始。
15歳でヒップホップに傾倒し、2003年よりラッパーとして始動。
MCバトルで輝かしい戦績を残した後、メジャー・デビュー。
出産・育児期間を経て、2018年に5thアルバム『JOMON GREEN』をリリース。

Articles

Special Feature

Channel Taro TV

Read More
:: August 1, 2018

映画『太陽の塔』トレーラー

Read More
:: March 21, 2017

《門扉》制作風景

Read More
:: November 30, 2016

《樹人》制作風景!