Talks

COMA-CHI TALKS ⑦ “ Being I ”

COMA-CHI対談⑦「“I”であること」

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日本を牽引する女性ラッパーであるCOMA-CHIさんとの対談です。
第七回目は「わたしの役割」

〈前回までは〉
①「わたしがはじめた頃は女性のラッパーってほとんどいなかったんです。」
②「『自分は女性の代弁をしなければいけないの?』って思い込んでしまって。」
③「『このままじゃ音楽が嫌いになる! 情熱が死ぬ!』みたいな気分になったんです(笑)。」
④「太陽の塔のモチベーションは縄文だったということですか?」
⑤「お客さんのエネルギーのほうがよっぽど縄文なのに、このままのわたしが縄文を歌ってもしょうがない。」
⑥「自分のクリエイションに忠実でありたいという、そこなんでしょうね。」

「いまなおつづけているという女性が日本のヒップホップ界にはあまりいないんですね。」

平野:ラップにグルーヴを与えるうえで、いちばん大事なことってなんですか?

COMA-CHI:自分が動くことですね。自分がそれをつくり出す感じっていうか……

平野:COMA-CHIさんの肉体のなかにいろいろな情報がアーカイブされていて、それが結合したり化学反応を起こしたりしながら、自分の表現として結晶していくんだろうけど……

COMA-CHI:そう言われれば、そうなのかも。

平野:アーカイブする情報はどうやって仕入れているんですか? 流行みたいなことには敏感なほう?

COMA-CHI:流行っているから、という理由で興味を感じることはないですね。いいと思ったものがたまたま流行っていることはありますけど。

平野:自分からトレンドを求めることはない。だとしても、COMA-CHIさんにはライバルが山ほどいる。

COMA-CHI:ええ。

平野:たいていは男で、なかには新しいことにチャレンジしている者もいる。

COMA-CHI:いますね。

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平野:そういうライバルに勝つために、なにか考えたりする?

COMA-CHI:まったくないです(笑)。

平野:あ、そう(笑)。

COMA-CHI:他のラッパーとわたしは土俵がちがうと割り切っているんです。わたし自身、もはやマーケットに乗ろうと思っていないし。

平野:やっぱりそうか。でもね、たとえそうだとしても、つくったものは売れたほうがいいし、多くの人に聴いてもらいたい。そこはそう思うでしょ?

COMA-CHI:もちろんです。

平野:そう考えたときに、自分はなぜラップをやっているのか、自分の役割はなんなのか、なんのために存在してるのか、この先社会とどのように関わっていくのか、っていうことは考えるでしょ?

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COMA-CHI:昔からラッパーをやっていて、いまなおつづけているという女性が日本のヒップホップ界にはあまりいないんですね。なので、わたしがつづけることに意味があるし、それがわたしの役割なんじゃないかと考えています。

平野:なるほど。

COMA-CHI:ラッパーをつづけるわたしを求めてくれる人がいる限りはつづけてみようと思っているんです。きっとそれが社会との接点だから。

平野:女性ラッパーの草分けとして、自分がラッパーでありつづけることそれ自体が、他の女性ラッパーの拠り所になるはずだからね。

COMA-CHI:あと感謝もあります。じつはわたし、かつては自殺したいと思うほど病んでいたんですけど、ラップをはじめて、そこに怒りをぶつけたり、気持ちをぶつけたりした作品が人に受け入れられたときに治ったんです。

平野:ああ、そうか。なるほど。

COMA-CHI:それとヒップホップという枠を出て、ひとりの母親として考えれば、たぶんすべてのお母さんが悩んでいると思うけど、こどもだけの母親になるのか、自分も保っていくのか。わたしは、「こどものことを考えながら自分のライフワークも両立させる」というテーマで生きているので、わたしが両立させて生きることで、世のお母さんたちにとっていい刺激になれば、とも思っています。



次回は「縄文バイブス」

⑧「わたしはそれを“縄文バイブ ス”って呼んでいるんですけどね(笑)。」

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COMA-CHI

東京都出身のラッパー/歌手。
ロック・バンドやアコースティックギターの弾き語りなどから独学で音楽活動を開始。
15歳でヒップホップに傾倒し、2003年よりラッパーとして始動。
MCバトルで輝かしい戦績を残した後、メジャー・デビュー。
出産・育児期間を経て、2018年に5thアルバム『JOMON GREEN』をリリース。

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