Talks

COMA-CHI TALKS ⑨ “ Being I ”

COMA-CHI対談⑨「“I”であること」

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日本を牽引する女性ラッパーであるCOMA-CHIさんとの対談です。
最終回は「“I”から発信すること」

〈前回までは〉
①「わたしがはじめた頃は女性のラッパーってほとんどいなかったんです。」
②「『自分は女性の代弁をしなければいけないの?』って思い込んでしまって。」
③「『このままじゃ音楽が嫌いになる! 情熱が死ぬ!』みたいな気分になったんです(笑)。」
④「太陽の塔のモチベーションは縄文だったということですか?」
⑤「お客さんのエネルギーのほうがよっぽど縄文なのに、このままのわたしが縄文を歌ってもしょうがない。」
⑥「自分のクリエイションに忠実でありたいという、そこなんでしょうね。」
⑦「いまなおつづけているという女性が日本のヒップホップ界にはあまりいないんですね。」
⑧「わたしはそれを“縄文バイブス”って呼んでいるんですけどね(笑)。」

「『わたしはこうだ』と自分から発信するべきだって思うんです。 」

平野: それにしても、COMA-CHIさんの体の半分はラッパーでしょ? ラッパーとしてのCOMA-CHIさんにとって、ラップにとって変えてもいいもの、変えるべきものと、変えてはいけないもの、守らなきゃいけないものって、どんなことだと思います?

COMA-CHI:「“I”から発信すること」ですね。言い換えれば、“me”じゃないってことです。

平野:“I=わたし”、自分から発信する。
“you”がいての“me”じゃないってこと?

COMA-CHI:はい。他人を意識しての“me”じゃないっていうか……

平野:でもヒップホップって、“you”と“me”の関係を歌にしているんでしょ? 「おまえらこうだけどオレはこうだぜ」みたいに。

COMA-CHI:バトルとかはそうですね。
でもわたしは、けっきょくは“I”だと思う。 “you and me”はコミュニケーションなので、とてもいいことだと思うけど、「youがいてのme」よりは、「わたしはこうだ」と自分から発信するべきだって思うんです。

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平野:受け身じゃなく、「オレはこう考える」「オレはこうする」っていうことでしょ? 太郎みたいじゃない!(笑)

COMA-CHI:そうなんです!(笑)

平野:これからのCOMA-CHIさんは、自分の問題意識をどうやったらピュアな音にできるかを考えていくんだね。

COMA-CHI:それだけを考えていたいです。

平野:でも、それはきっと苦しい。こうすれば片がつく、形になるというサンプルやお手本がないわけだから。ゼロから組み立てなきゃいけないって、苦しいでしょう?

COMA-CHI:でも、むしろ楽しいです。1位を目指さなきゃいけないっていう状況よりも、わたしの性にあっているような気がするし。

平野:生来のアーティストなんだな。ただ一方では、こうやってビジネスのフィールドで「商品」を送り出している以上は、プロフェッショナルでもある。素人が趣味でやってるわけじゃないからね。

COMA-CHI:はい。

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平野:COMA-CHIさんにとっての「プロとはなにか」を聞かせてほしいな。

COMA-CHI:プロとはなにか? うーん、むずかしいな。……そもそもプロとアマチュアの線引きがなくなってきてますよね。いまはもうそういう時代じゃないのかなって思います。

平野:ああ、そうか。なるほど。

COMA-CHI:昔はCDをリリースできる人も少なかったし、選ばれた人だけだったと思いますけど、いまは他の仕事をしていてもCDを出せるし、表現もできる。

平野:YouTubeにアップすれば動画も出せるしね。

COMA-CHI:ライブができる場所もいっぱいある……なにがプロでなにがアマチュアなのかを決められない時代になったような気がするんです。

平野:たしかにそうかもしれないね。OK! では質問を変えよう。COMA-CHIさんにとって、「本物」ってなに?  いまの時代にも本物と偽物はあるでしょう?

COMA-CHI:そうですね。それはあると思います。

平野:リスペクトできるものもあれば、「インチキだ!」っていうものもある。

COMA-CHI:インチキ、ありますね!(笑)

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平野:COMA-CHIさんはどんな人をリスペクトする? どういうものが「本物」だと思う?

COMA-CHI:やっぱり、“I”であることなのかな。妥協しないってことでもあるし。自分のクリエイションに忠実であり、嘘をつかない、妥協しないってことだと思いますね。

平野:どうすれば気に入られるか、キョロキョロまわりを見回すのはダメってこと?

COMA-CHI:それはダメ!(笑)

平野:さっきもそんな話になったけど、自分の信念や価値観だけをコンパスに前に進むってことだね。

COMA-CHI:みんなでつくる素晴らしさももちろんあります。そのときも、“つくりもの”ではない、みんなの本音を組みあわせてつくりたいですね。

平野:「みんなでやっているんだから、そこは我慢しろよ」とはナシ?

COMA-CHI:あー、でも、みんなでつくっているからしょうがないこともありますよね。

平野:あ、そうなの?(笑)

COMA-CHI:うーん、みんなでつくるってなるとまた変わってくるんですよね(笑)。

平野:そりゃ、そうだよね(笑)。

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COMA-CHI:わたしはソロアーティストなので、グループにはグループのよさがあるだろうし、それを偽物とは言えないかな。

平野:うん、よくわかった。いずれにしろ、ソロアーティストとしてのCOMA-CHIにあっては、 “I”は変わらない。

COMA-CHI:はい。“I”から発信すること。それはずっと変わりません。



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COMA-CHI

東京都出身のラッパー/歌手。
ロック・バンドやアコースティックギターの弾き語りなどから独学で音楽活動を開始。
15歳でヒップホップに傾倒し、2003年よりラッパーとして始動。
MCバトルで輝かしい戦績を残した後、メジャー・デビュー。
出産・育児期間を経て、2018年に5thアルバム『JOMON GREEN』をリリース。

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