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From the diary ③ "Tokyo exhibition"

岡本太郎コラム③ 日記から「東京展」

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新築の都の美術館で今年から「東京展」がひらかれることに決まった。画壇の職能的な権威主義に対して、芸術創造もっとひろく一般にも開放しようという、この運動が一応実ったことは、都民のためばかりでなく、よいことだ。

芸術は専門家だけのものであってはならない。だれでも自分でやり、創造によって自己発見すること、そこに意味がある。芸術界は余りにも職業化されすぎている。声のいい人だけが歌い、格好のいい人だけが踊り、器用な人だけが絵を描いて発表する。一般はせいぜい鑑賞だけ。だから技能偏重の職人芸ばかりになってしまうのだ。そして多くの人はそういうシステムにスポイルされて、芸術に関心を失っている。現実に美術界は特殊な画壇関係者だけの、とざされた世界になっている。

芸術は鑑賞するだけでは、だめだ。だれでもが人の眼を恐れず、平気で創(つく)り、自分をひらく。生命の感動を確かめてほしい。

戦争直後から私は「芸術はきれいであってはいけない」「うまくあってはいけない」「心地よくあってはいけない」と主張してきた。逆説的な発言と思われるだろうが、正しいのだ。

みんなが平気で無条件に己をうち出す。下手くそと笑われようが大いに結構。得意になって独自の色、形を噴出させればよいのだ。互いに自己発見の成果を競い、とけあう展覧会。みんなの広場だ。

しかし、多少気になる。果たしてそういう平気な、本当のシロウトがいるか、ということ。「シロウト画家」はとかくクロウトの2番煎(せん)じ、真似をしたがる。それでは空しい。どうにもならない。

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