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佐藤タイジ対談⑤「オレの〝踊り方〟」

ロックバンドTHEATRE BROOKのボーカル、ギタリストであり、すべてソーラー電気だけで開催する野外ロックフェス「中津川THE SOLAR BUDOKAN」の主宰、佐藤タイジさんとの対談です。
第5回目は「らしさ」。

〈前回までは〉
①「だから『オレ、ポールが弾いているベースをやる!』って言ったんだけど――」
②「あれもこれも好きだから、あれにもこれにもなってみたいけど、こっちも好きだから、こっちにもなってみたい……みたいな。」
「オレは上手に弾きたいわけじゃなくて、『ギターを弾きたいんだ!』っていう感じなんですよ、うまく言えないけど。」
④「混ぜ混ぜするものが好きなのか? 食べ物も冷奴とご飯を混ぜるのが大好きだし。」

けっきょく思ってもいないことを無理矢理やったところで、いい結果にはならないし、伝わりませんからね。

平野:ロックといえどエンターテインメントだから、とうぜんリスナーの期待や欲望に応えなければなりませんよね。

佐藤:はい。

平野:たとえば、THEATRE BROOKのリスナーは「THEATRE BROOKらしさ」を求めている。

佐藤:そうですね。

平野:一方で、ひとりのアーティストとしては、新しい自分を表現したい、いままでとはちがうTHEATRE BROOKを開拓したいという欲望もある。

佐藤:ありますね。

平野:それでもやっぱり、リスナーはライブに来た以上は『まばたき』のギターリフを聴いて帰りたい。そのあたりの折りあいについては、どんなふうに考えてます?

佐藤:そこに関しては、「いいですよ~『まばたき』やりますよ~」って感じです。それにTHEATRE BROOKも35年になるので、そう言った意味でのお客さんとのズレみたいなことは、あまり気にならなくなったっていう感じかな。

平野:気にならない?

佐藤:まあ、なんならズレてもいいやって。

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平野:たとえば、タイジさんが「次のTHEATRE BROOKは雅楽の世界観で行こう!」と考えたとするじゃない。ギターを捨てて琵琶を弾く、みたいな。

佐藤:はい(笑)。

平野:でもファンはきっと「え〜マジかよ〜! レスポールを弾いてくれよ〜!」って思うよね?

佐藤:でしょうね。

平野:まあ、これはいくらなんでも極端な例だけど、アーティストの「やりたい音楽」とファンの「聴きたい音楽」がズレることはじゅうぶんにあり得る。そのとき「ズレてもいいんだ」という発想を極端まで推し進めると、「聴きたくないヤツは聴かなくていいよ」って話になる。まあ、さすがにそこまで行っちゃうアーティストはいないと思うけど。

佐藤:もちろんオレだって多くの人に聴いて欲しいし、見に来て欲しい。でもオレ、ノリが悪いと「もういい! 帰れ帰れ!」なんてお客さんに言っちゃうし(笑)。

平野:あ、そうなの?(笑) でも曲をつくったりアルバムの構想を練ったりするときに、「リスナーの期待に応えたい」っていう思いはあるでしょ?

佐藤:もちろんそうなんだけど、じっさいにはむずかしいんですよね。「こんなのがいいのかな? みんなこういうものを求めているんじゃないの?」なんて考えながら曲をつくったのに、あまり反応がなかったいうこともあるし。そういうことを繰り返しながら30年以上経って思うのは、「余計なことは考えずに、思ったようにやろう」ということ。けっきょく思ってもいないことを無理矢理やったところで、いい結果にはならないし、伝わりませんからね。

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平野:ああ、なるほど。いまの話はよくわかる。では個性やアイデンティティについてはどう考えてます? THEATRE BROOK、佐藤タイジ個人ともに強力な個性がある。そのあたりを意識することはあります?

佐藤:うーん、むずかしいけど、そういうことでいえば、やっぱりギターかな。オレにとって「オレのギター」が最高なんですよ。ヘンな言い方だけど。
だからオレ、ギターさえ弾いていれば大丈夫だ、と信じてるんです。

平野:それが佐藤タイジの個性?

佐藤:ほかのギターボーカルと話をすると、意外にみんな自信をもっていないように感じるんですよね。もちろん、そういったある種の謙遜は、それはそれでカッコイイとは思うけど、オレは自分のギターを謙遜しない。「オレのギターって最高やろ!」と思ってますから。きっとオレの個性の本質はギターなんじゃないかな。

平野:ギターを抱えた瞬間に〝佐藤タイジになる〟わけだ。

佐藤:そう。それが佐藤タイジ。

平野:佐藤タイジとギターが支えあい、融合することで「佐藤タイジの音楽」がつくられていく。

佐藤:はい。

平野:てことは、戦略や計算ではなく、ギターを抱えたときに湧き出てくるってことだ、「佐藤タイジという個性」は。

佐藤:だからギターがないと成立しないんですよ。ギターという楽器のなかには、ジョン・レノンなどの先輩たちがやってきたことや、ボブ・ディランが言ってきたセリフなんかが息づいている。ギターってそういうものを背負っているんです。それを一緒に背負いたいんですよね、オレは。



次回は「根底にあるもの」。

⑥「踊れるのが好き。踊れる音楽が聴きたい。どんなものであれ踊れるのが好き」

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佐藤タイジ

徳島県出身。ギターボーカル日本代表。
太陽光発電システムによるロックフェス
「THE SOLAR BUDOKAN(since 2012)」の主宰者。
日本の音楽界と再生エネルギー界を牽引する稀有なモジャモジャ頭。
「ロックスター」「ファンキー最高責任者」は彼の代名詞。
’86、シアターブルック結成。
’91、RedHotChili Peppersのフロントアクト。
’95、EPICからデビュー。「ありったけの愛」がJ-WAVE.FM802など主要FM局でヘビーローテーション。
ちなみに太陽の愛を歌ったこの曲を歌い続けたことが
「THE SOLAR BUDOKAN」のアイデアの源泉。
この他、クラブ系ユニット「The SunPaulo」ではエレクトロ。
加山雄三率いる「The KingAllStars」では主要メンバー。
そして高円寺阿波おどりとのコラボ「佐藤タイジ&華純連」は日本の音楽史の転換点となる壮大なプロジェクト。楽曲「踊らなソンソン」はiTunes.Spotifyなどで絶賛配信中。
佐藤タイジは間違いなく日本代表ロックスターなのだ!
■佐藤タイジ HP
http://www.taijinho.com/
■シアターブルック HP
http://www.theatrebrook.com/
■THE SOLAR BUDOKAN HP
http://solarbudokan.com/

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佐藤タイジ

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シアターブルック

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