ブログ『カータンBLOG あたし・主婦の頭の中』が「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」最優秀グランプリ受賞、2016年には殿堂入りされた人気主婦ブロガーのカータンさんとの対談です。
〈前回までは〉
カータン①「なんだろう。わたし、いま泣きそうになってる。」
カータン②「こうして敏子さんのお写真を拝見すると、太郎さんに似ていらっしゃいますよね?」
カータン③「こういうのを考えられるって、頭の中はどうなってたんだろう・・・」
カータン④「みんなおなじ、ひとつなんだって言ってるんですね。」
カータン⑤「わたし、もともと物書きになりたかったんです。」
カータン⑥「わたしの思いを聞いてもらいたいとかはあまりないんですけど・・・」
今回はカータンさんの表現・・・その自由と責任についてお伺いします。
「わたしもブログはおもしろいって見てもらいたいけど、」
平野:カータンさんはすごく自由だと思う。立場も表現もね。きっとそれが魅力なんだろうな。
カータン:そうですか?
平野:うん。本をつくっているときによく感じることだけど、出版ってやっぱり不自由なんですよ。「こうしないと売れません」みたいなこともあるし、校閲で言葉を直されることもある。えっ、こんな程度の言葉も使っちゃいけないの? って。
カータン:そうでしょうね。
平野:出版も放送も、マスメディアは真っ先にマーケティングと自己規制を考えます。でもカータンさんは違う。
カータン:ただ、すべて自分の責任に返ってくるので、それを理解していないと怖いです。あともうひとつは、たとえばカメラマンが賞をとって売れるようになると、「売れる写真」を求められて、写真家としてのカラーがなくなってしまう、というようなこともありますよね。
平野:あらゆるクリエイティブワークがそうだけど、ある作風が受け入れられて成功すると、みんながそれを注文する。それを続けているうちに、いつの間にか「◯◯屋」になっちゃう。
カータン:わかります。
平野:たとえば建築の世界でいうと、無名だった建築家の作品が建築雑誌に載ったとするでしょ? するといろんなクライアントが現れて「あの感じでお願いします」と頼まれる。どんどんつくっていくうちに、その作風がその建築家のアイデンティティになる。そこまではいいんです。でも、やがて別の道を探したくなり、じっさいまったく違う作風の作品をつくったとします。それを雑誌に持ち込むと、「う〜ん、これはあなたらしくないですね。これではちょっと…」みたいなことを言われたりするんですよ。
カータン:わたしもブログはおもしろいって見てもらいたいけど、人として真面目な部分もあるので、真面目に答えることもあるんです。そうすると「らしくない!」みたいなことを言われてしまうことがあります。
平野:そこはもう歯を食いしばって自分のスジを通すしかないんじゃないかな。

カータン:太郎さんは、たとえば広告のときとかはどうしてたんですか? とうぜん台本や演出があるわけですものね。
平野:原則、ディレクターの言うことは聞きません。
カータン:(笑)。
平野:台本の台詞もがんとして言わなかったらしい。
カータン:ええ!(笑)
平野:で、自分の言葉でしゃべるんです。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」なんかも太郎自身の言葉です。
カータン:すごい!
平野:まあ、そういう人だってみんな知ってましたからね。しょうがないだろう、相手は岡本太郎なんだからって。これ、良い子のみんなは真似しちゃダメです。
カータン:(笑)

平野:やっぱりカッコいいと思いますよ、男としてね。
カータン:ほんとうにカッコいいですよね。フェミニズムみたいなところも。
平野:女性をリスペクトしていたと思います。太郎がつくった「男女」っていう字があるんですよ。「男」と「女」がひとつになった字です。

平野:それを見た敏子が、「先生、やっぱり女が下なのね」って言ったら、「そうだよ。いつだって女が男を支えてるんだ」と答えたって、敏子が嬉しそうに言ってました。「ちゃんとわかってらっしゃるのよ、あの方は」って。
カータン:素敵! 女の人を小バカにすることがあったらどんな相手でも食ってかかったって・・・
平野:そうらしいですね。敏子は「太郎に惚れない女はいない」って言ってました。
カータン:だってわたし、本を読んだだけで惚れましたもん!
平野:(爆笑)
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次回は子どもに見せたい《太陽の塔》について。
カータン⑧「いったい何なんだっていうものがある作品の方が食いつきやすいですよね。」
カータンさんのBLOG『あたし・主婦の頭の中 』でも対談前夜のことが書かれています。
ぜひあわせてご覧ください。
「鳥肌が立つほどエネルギーが溢れている岡本太郎の魅力」

カータン
元外資系航空会社の客室乗務員。二児の母。
日常の出来事や妄想をオリジナリティあふれるイラストで綴る「カータンBLOG」で人気を博す。
現在、さまざまなメディアで活躍中。