岡本太郎愛用のピアノ修復レポート!
今回はどのようにピアノが修復されていくのかをお届けします!
このピアノは歌人与謝野晶子の与謝野家から譲り受けた
「スタインベルク ベルリン」。
日本には数台しか無いという幻のピアノです。
なお、ピアノの修復は北軽井沢の工房で、
ピアノバルロン・ジャパンの和田明子さんが行っています。
ちなみに修復内容は以下の通りです。
| 本体 | 1. 弦、チューニングピン交換 |
| 2. 響板修復(割れの修理、ニス塗り直し) | |
| 3. パス駒修理(ひび修理) | |
| 4. 鉄骨塗り直し | |
| 5. ペダルシステム再調整、ペダル磨き | |
| アクション | 1. ハンマーフェルト交換 |
| 2. アクション内のすべてのフェルト、革の交換 | |
| 3. スプリング交換 | |
| 4. センターピン交換 | |
| 5. 整調(タッチの調整) | |
| 鍵盤 | 1. 象牙・黒檀鍵盤磨き |
| 2. フェルト類の交換 | |
| 3. 再調整 | |
| 外装 | 1. 掃除、磨き (再塗装はせず現状の雰囲気を残す) |
| 仕上げ | 1. 調律 |
| 2. 整音 | |
| 3. 納品調律・点検 |
パンチングとは、鍵盤の下にかまして鍵盤の高さと深さを調節する、
様々な厚さの紙とフェルトのことです。
有効弦長とは、音を鳴らす部分の弦の長さのことです。
音の高さは、弦の長さと太さにより決まります。
弦の張力を支えている鉄骨に偏った負担がかからないよう、
すべてのピンを万遍なく少しずつ緩めていきます。
低音は太い弦、高音にいくほど細い弦が張られています。
どの音にどの太さの弦が張られていたのか、
元のデータを取っておき、新しい弦を張る時の参考にします。
ハンマーバットとハンマーバットフレンジにより、
ハンマーの正しい動きが保たれます。
いかがですか?
このように1つ1つとても丁寧に作業しているのが、
おわかりいただけると思います。
ピアノバルロン・ジャパンの和田明子さんは、
以下ようにおっしゃられています。
「100年前のピアノを修復する価値があると、私たちは考えています。
戦前のピアノには戦後の大量生産のピアノにはない味があります。
戦前は、1台1台のピアノが丁寧に作られた時代でした。
木やフェルト、革などの材料も、今のものよりずっと良い質のものが使われました。
また、ピアノメーカーが個性を競い合い、こだわりをもって作っていたため、
個性の強いピアノが残されたのです。
ピアノが100年近くの年月を生きてきたということもピアノの音に影響します。
ピアノは大部分が木で作られているため、私たちのように呼吸しています。
響板がピアノの魂、とも言われますが、音色を決めるのに重要な部品です。
100歳のピアノは100歳の響板を持っているので、20歳の響板にはない味を出します。
もっと言えば、100年の生きざまを反映した音を出します。
昔のピアノからは、何とも言えない深い音色、やさしい響きがします。
それは、年月が、また歴史が醸し出す音だと、私は思っています。」
今月に完成予定のその音色を聴くのが楽しみです。
次回はさらに進んでいく修復の模様をお届けまします!









