先日リアルタイムテキスト実況をしました、
「第19回岡本太郎現代芸術賞授賞式!」

今回は各賞の受賞者のインタビューをお届けします!
まずは特別賞の笹岡由梨子さん!!
受賞作は床面に水が張ってあり、映像の呼吸に合わせて泡だつ、
実写映像を合成したインスタレーション(空間展示)の、
『Atem(えーてむ)』です!!

-この度はおめでとうございます。
笹岡:ありがとうございます。
-高校生の頃から芸術の道に進もうと思っていたということで。
笹岡:そうですね。
受験生の頃からずっと岡本太郎さんだけは知っていたので。
-岡本太郎だけ知っていたっていうのは、何か理由はあるのですか?
笹岡:やはり私が大阪出身なのがあると思います。
大阪には《太陽の塔》がありますし。岡本太郎さんの外見も好きですし。
-(笑)
笹岡:当時、まだ美大も目指そうと思ってはいなかったんですけど、
作品をつくらないと自分のバランスが保てなくなってしまって。
少し荒れてました(笑)。
-なるほど。
笹岡:知識もない中で、岡本太郎さんっていうのは自分には特別な存在で。
高校生の頃、受験をする時にこの太郎賞のことだけは知っていたので、
「岡本太郎賞に絶対出してやる!」って思いました。
-これまでに何回か出されているんですか?
笹岡:去年からですね。去年に一回出して。
それまでやっぱりコンペに対して恐怖心みたいなものがあったので。
自信もなかったのもあるんですけど。
でもようやく自分の作品もまとまってきて、余裕も出てきたので、
今だ!と思って。

-この作品のコンセプトについて教えてください。
笹岡:私は数年会前からあやつり人形に顔を合成して、
映像をつくるっていうのをやっていたんです。
これは結婚式のときに、私は当時25歳だったんですけど、
コスプレが二次会の衣装で、私はそれがすごく嫌で。
-はい。
笹岡:まわりはナースとかポリスとか着ていたんですけど、
私はとても抵抗があり、着なかったんです。
そのとき驚いたのが十代のときに綺麗でみんなの憧れだった子が、
ティンカーベルの衣装を着ていたんですけれど、
それを見たときに、「私もあの子も、もうティンカーベルは着られないんだ」って。
私たちの精神年齢と実際の身体年齢っていうものに、
ズレが生じているなって思って。体調を崩したんですよ(笑)。
-(笑)なるほど。
笹岡:25歳から女の人ってだんだん老いはじめるらしいんです。
そのときのティンカーベルがすごく性的なものに思えてしまって。
-ええ。
笹岡:「老いに対する恐怖」がこの作品のコンセプトになっています。
-この「いきおう」っていうのは?
笹岡:この作品はタイトルが《Atem(えーてむ)》っていう、
ドイツ語で「息」とか「魂」とかいう意味がある単語で。
インドの哲学に「アートマン」っていう言葉があるんですけど、
万物の根源と自我が同一したときに、
「梵我一如」っていう状態になるらしいんです。
-はい。


笹岡:その「梵我」の「我」が「アートマン」っていう言葉らしくて。
それでテーマに合う言葉を探したら語源である「Atem」に行き着いて、
それを自分なりに無理矢理に日本語に訳したのが、
「いきおう」っていう言葉なんです。
-なるほど。今回は本当におめでとうございました!
笹岡:ありがとうございました!
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