-さて今回、展示されているのが
《芸術家の研究所》と《it’s a modernism world》。
タイトルが面白いですよね。
久松:ありがとうございます。
-《芸術家の研究所》なんて
今の芸術界に対してのアンチテーゼにも受け取れますし、
リスペクトしているようにも感じるし。
両方の意味があって、タイトルを聞いただけで惹かれますね。
久松:うれしいです。

-記念館に展示するということで意識されたことは?
久松:私の個展ではないということですね。
平野館長からも1回目の打ち合わせで
「岡本太郎を観に来る人の空間に展示するということ」を考えるようと言われて。
-だいぶ考え方は変わりましたか?
久松:自分自身のぼんやりとした新作イメージがあったんですけど、
それは最初の時点では、岡本太郎さんと接続しないんです。
でもそこで接続するヒントみたいなものが出てきた瞬間があって。
それで展開できたりとか。
-そのヒントっていうのは具体的に言えるものならお聞きしてもいいですか?
久松:絵にも描いたんですけど、
《太陽の塔》が今は単体で万博公園にありますよね。
私もこの1年で見に行ったんですけど。
そのときに大阪万博っていうものが昔あって、
当時はパビリオンがいっぱいあって、屋根がついてたっていうのを、
そこではじめて認識して。それがわりとヒントになりました。
-大屋根の存在が。
久松:つまり同時代に生きていた岡本太郎と丹下健三の
対決だったんだなって理解できて。
それに気づけたのが自分の中では大きかったですね。
-作品を拝見させていただきまして、本当に素晴らしかったです。
久松:ありがとうございます。
-《芸術家の研究所》と《it’s a modernism world》の制作期間って
どのくらいだったんですか?
久松:描いたのはそれぞれ1ヶ月半くらいですね。
-そんな短期間で描けるものですか?
久松:描くまでに考えている期間のほうが長かったですね。
《芸術家の研究所》はあるとき瞬間的に絵のイメージが決まって、
それですぐに描きました。
-情報量が多いっていうのが久松さんの特徴だと思うんですが、
面白いですよね。「赤べこ」とか(笑)。
久松:まったく岡本太郎に関係ないですよね。「赤べこ」は。
でもきっと観ているんですね。「隠しカメラ」のように。
・・・いま思いついたんですけど(笑)。自分の身代わりですね。
-なるほど。「赤べこ」にも注目ですね(笑)。
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