「今日は大変な日ですね。
じつはぼくはトランプさんと同じ誕生日で(笑)。
でも楽しい話をしようと思っています。
平野さんからオファーを受けたのは、
おでん屋だったんです(笑)。
岡本太郎さんという存在は、
日本のアーティスト像をかたどったような人で。
その太郎や敏子を知り尽くしているような平野さんと、
ご一緒するというのはとても光栄なことでした。
そして今回、記念館をジャックして展覧会ができて本当に良かった。
聖地で展覧会をするということは、
コラボレーションでもあるし、共作のようなものでもある。

でも手を握って、何かをつくることはもうできない。
でももし本人が生きていて、
共作しましょうってなっても、
簡単には握手ができるとは思えない(笑)。
そう考えると、
単純に一緒にものをつくるってことではなくて、
ぶつかり合うエネルギーがほしかったんです。
存在同士をぶつけ合うというか、
魂をぶつけ合える場としてこの記念館はふさわしい場所でした。
実際にはとても難しくて、
平野館長からお話をいただいたのは2年前で、
でもなかなかどういう形にしたらいいのかっていうのを考えていました。
去年は日本の伝統工芸のような、
職人さんとの対話の中で生まれるような展覧会をして、
またパリでは人形浄瑠璃をしました。
その中でもずっと悩んでいました。
今までつくってきたものではいけないと思って。
自分を捨てなければいけないと。」
「最初に平野さんはたくさんの太郎の本を送ってくれました。
それに目を通して、これまでの太郎のことなどを知るにつけ、
自分の中でフォーカスされてきて、
自分にしかできないものをつくりたい。
そう思いました。
ぶつかり合って、
ケンカとまではいかないですけど、
太郎さんを吸収するということでもなくて、
違う息吹を感じられるものなればいいなと思っていたのですが、
そういうものができたと思っています。」
「この赤い部屋にある、
壁からニョキニョキ生えているものは、手なんです。

太郎さんの作品にも手はよくあって。
見えないオーラを感じるような。
生命力があふれるものであってほしいと思って。
今回は本当に生命観あふれる空間にみなさんをお招きしたかったんです。」