最後に平野さんとのトークです。
「おもしろかった。
とくに粘土をこねる話を聞いていて、
まるで太郎を追体験しているんじゃないかと思いました。
太郎は絵描きだったのに、
その後、いろんな表現ジャンルに手を出すんですけど、
太郎がはじめて立体をつくったのは、「よし立体だ!」って決意をしたわけではなくて。

じつは陶板の壁画をつくることになって、
でも陶板壁画は自分じゃつくれないわけです。
焼いてもらうしかない。
そこで常滑の製陶所に詰めて、
焼き上がりを待っていたんですけど、
かなりの時間もかかるし何もすることがないんで、
向こうの職人さんが、
『粘土で遊んでいてください。』
って言われて粘土を手でこねたんです。
そして『おもしろい』と発見したんですね。」

舘鼻「手を動かすって楽しいですよね。
そこに1つの世界があって、
言葉をしゃべると同じように、
コミュニケーションなんですよね。
きっと太郎さんもそう考えていたんだと思いますね。」
平野「そうかもしれないですね。
そういう意味では舘鼻さんと太郎は似ている。
それと太郎は保険をかけなかった。
太郎は『オレはこうする。オレはこう思う。』って言うだけでした。
たとえば『法隆寺は焼けてけっこう。』
こんなことを今の文化人が言ったら、消されます(笑)。
でも今の大人は保身ばかりですよね?
今回の舘鼻さんの提案書を見たとき、過去の作品を持ってこなかった。
つまり保険をかけなかったんです。
ぜんぶ新作で、しかもこれまでのものと違う。
腹をくくったんです。
ぼくは舘鼻くんのそういうところが好きなんです。」

平野「ぼくは舘鼻くんをここに連れてきたのは、
次の時代を担う若い人にこの才能を見てほしかったから。
そしてそれに応えてくれた。」

舘鼻「やっぱりここでしかできないこと。
この会場との対決でもあって。
それが作品にもあらわれていると思います。」
以上でアーティストトーク「舘鼻則孝が語るー呪力の美学ー」は終了です。
今回もリアルタイム中にお付き合いいただき、ありがとうございました!
あ、お客様の中にはこんな方もいらっしゃいましたよ。


危険人物!!?