舘鼻「縄文の話がでたので太郎の話をしますけど、隣の部屋では映像を流していて、そこで太郎が粘土をこねている映像があって、それがけっこう衝撃で。ぼくも粘土をこねていた時期のことを思い出しまして。」
山口「良かったね(笑)」
舘鼻「だからこっちのガラスの中の作品は粘土でつくったんです。高校生のころとかの学生時代を思い出して。」
山口「でもそれがいちばん日本人のいいところなんだよね。」

舘鼻「手というのは人間のいちばんの道具ですよね。経験と体験がともなってできた作品があるというのが原点回帰でもあり、新しい体験のような気がしています。」
山口「縄文っていうのはまじない的なもので。」
舘鼻「今回の呪術というタイトルにも繋がるんですけど、人間の手によってつくられないと魔力を持たないと思うんです。」
山口「プリント技術が発達しても、肉筆ものものとは違うんです。人間の目には見えるんですね。その違いが。」
舘鼻「強さや奥行きが違うんですよね。」

山口「太郎さんの作品を見ると、脳と手が直結しているよね。手が描いているといっても過言じゃないような気がする。」
舘鼻「美術家としてはそれって本当に難しいことなんです。作為的に見えてしまって。」