最後に質問をいくつか。
「鑑賞のための芸術作品と、日常で使えるものとで創作姿勢は変わるんでしょうか?」
舘鼻「ぼくとしては変わりはありませんね。1つの作品としては、使うかどうかというのはその人にゆだねます。ただ使えるようにつくっているので、使ってみてほしいなという気持ちはありますね。」

「絵画は実用的にはならないですけど、制作の態度は変わりませんか?」
舘鼻「変わりませんね。アートっていうのは行為なので。どういうアクションを起こすか、そして形に残すかがアートなので、作り手の姿勢は変わりません。」
「文楽のことですけど、情念的には日本の人が引いてしまうところがあると思います。フランスで評価されたのは、内容なのか、演出なのかどちらだと思いますか?」
舘鼻「演出の効果が大きいとは思います。本質的にはフランス人の人が理解しているかは日本人でも理解しづらいと思うのですが、その入口にはなれたかな?とは思います。」
また以下のような質問も。
「何がしたいんですか?舘鼻さんが世界と戦うのは何のために?」

舘鼻「ぼくは日本人として成り立っているということに感銘を受けているんです。日本人として生まれてくるというのはぼくが決めたことではないですけど、そのことを全うしたいという意識をしていて。自分が日本人であるということを作品を通してやりがいを感じています。だから過去の伝統的な日本的な文化、明治以降西洋化されているいまの文化的な価値。それらを再提示することで今の日本を知ってもらいたいし、発信したいです。」
「ではご本人より日本を知ってもらいたいのでしょうか?」
舘鼻「日本というものを世界に興味を持ってもらいたいのはありますね。日本に来てほしいんです。自分に会ってもらうってこともそうですけど、そういうふうに興味を持ってもらいたいと思っています。」
最後の質問です。
「今日、お話を伺っていて、日本の美術の光明が射してきたような気がしました。質問というよりも感想ですが。」

舘鼻「ありがとうございます。いまの時代では飛行機に乗れば14時間でニューヨークにいけます。それは100年前にはなかった。だからこそこの時代に生きていて、何ができるのかを考えるべきだと思いますね。」
山口「愛国心というとアレだとけど、そういうものを大切にしながら、世界共通の美的感覚に触れるものに変貌させていく、そういう仕事をしてほしいですね。」
舘鼻「一緒にしていきましょう。」
山口「していきましょう。世界に売れることだけが能じゃないのは確かだけど、多くの人に残していけるっていうのは良いことだよね。」
舘鼻「今日はどうもありがとうございました!」
以上です。
ありがとうございました。