舘鼻「いま31歳で毎年、大きなプロジェクトに携わりましたけど、
それもほとんど自分で売り込んでいるものですよ。」
舘鼻「絶対にここまではたどり着くって、
想像していましたね。」
平野「ビジョンなのかな?」

舘鼻「完成予想図っていうか、
それのためにやれることはぜんぶやろうと思ってましたね。」
平野「そのゆるぎないビジョンをセットして、
ロジカルに戦術を組み立てていったんだよね?」
平野「学校では染織を学び、それ以外では洋服を学んだ。
それで靴という形式にたどり着いた。」
舘鼻「そうですね。それまでは下駄をつくっていたんですけど、
卒業制作だけ、ヒールレスシューズをつくったんです。」
平野「それはどうしてそうなったの?」
舘鼻「大学院にいかないで、自分のブランドをつくりたかったんで、
自分の世界を表現するものであるべきだと思ったんです。」
平野「名刺代わりにってことでしょ?」
舘鼻「だから大学ではぜんぜん評価されなかったですね。」
平野「舘鼻くんは右脳と左脳が同時に動いてるんだろうね。
ロジカルな計算と、手作りと・・・」
平野「さっきも言ったけど、最近の若い子は、
バーチャルというか紙では斬新なんだけど、
ものになったら、え?っていうことが多い。
きっと脳の片方だけが動いているんだろうね。」

平野「将棋とかっていくつも先を読むから、
ロジックかと思うけど、羽生さんとかすごい人は、
直感なんだって。
そこからそれが正しいか計算するらしい。」
舘鼻「羽生マジックですね。」
平野「ロジカルに考えたらそこに打つはずなのに、
直感で違うところで打つから、相手は翻弄されるらしいね。
きっと舘鼻くんもそういうところがあるんじゃないかな。」